2017年9月4日月曜日

270120 #izak 原告側第1準備書面 岡崎克彦裁判長 要録偽造


270120 #izak 原告側第1準備書面 岡崎克彦裁判長 要録偽造
平成26年(ワ)第24366号 国家賠償請求事件

原告 

被告 東京都

準備書面(1)

平成27年1月20日

東京地方裁判所民事第25部乙2A係 御中

 
                                      原告訴訟代理人弁護士   綱 
                                            同   弁護士   三  
                                            同   弁護士   辛       

 

第1 答弁書に対する認否

1 「第2」、「3」、「」、「ア」、「(ア)」、第3段落について

被告は、「千葉教諭がN君の一人通学指導が困難と判断したことはない」と主張するが、否認する。千葉教諭がN君の一人通学指導を困難と判断していたことは、N君の母親が千葉教諭宛てに書いた平成24年6月付の手紙により明らかとなるはずである。N君の母親が書いた手紙は、被告の管理下にあるので、開示・提出を求める。

2 「第2」、「3」、「」、「ア」、「(ア)」、第4段落について

一人通学指導が、個別の指導計画に基づいて作成されることは、否認する。「個別指導計画」と「一人通学の指導計画書」は全く別のものであり、直接の関連性はない。

被告は、「原告は、N君の一人通学実施が困難との自説にこだわり、指導計画すら作成なかった」とするが、原告が、N君の一人通学指導の実施が非現実的であり、困難と判断していたことは事実であるが、これとは別に、原告はN君の指導計画の作成には取りかかっていた。

3 「第2」、「3」、「」、「ア」、「(イ)」について

被告は、「N君の保護者の原告の指導に対する不信感は強く」と主張するが、その具体的内容を明らかにされたい。管理職らは、N君の母親から原告の指導に関するクレームを内容とする手紙等の書面を数多く受け取っており、同人の不満の内容を知っていたにも拘わらず、原告の再三に亘るそれらの開示要求を無視し、その具体的内容を原告に伝えることなく推移して来、原告は現在でも、N君の母親のクレームの内容を把握していない。

管理職らは当初、原告に対して一人通学指導についての話をして来たが、あるときから一人通学についての話がなされなくなり、話題の中心が原告の指導力の欠如に移っており、N君の指導に対する母親のクレームの内容が、あるときから変わったものと受け止められる。これは、管理職らは、N君の母親のクレームのとおり、それに従って原告に対応して来たことを物語るものである。

なお、原告は、N君の副担任にすぎず、朝学活等で指導をすることはあるが、N君の授業は一切担当していない。原告は、その指導力の欠如を指摘されても、一体何が問題なのかがわからず、管理職らに具体的な説明を求めてもその都度言葉を濁し、原告に対し、何が問題かを具体的に知らせない状態であった。それにも拘わらず、管理職は再三に亘り原告に対し、「N君の母親の信頼を回復するためには何をすれば良いか」といった、回答が極めて困難な課題を次々と出したのであった。

4 「第2」、「3」、「」、「ア」、「(ウ)」、第2段落について

被告は、「原告には、・・・様々な生徒の指導上の課題、保護者の対応の課題があった」とするが、原告は、管理職らから度重なる面談を強いられたが、課題なるものの説明は一切なく、原告には、課題が何を指しているのか今をもって見当が付かない。その具体的な内容が何であったかを明らかにする必要があり、N君の母親からの手紙等の提出を重ねて求めるものである。

5 「第2」、「3」、「」、「ウ」、「(ア)」について

被告は、校門の外まで付いていくケースが例外的ではなかったと主張するが、実際に校門の外まで付いていったケースについて具体的に摘示されたい。原告の記憶では、校門の外まで一人通学指導を行った生徒が一人いたが、これは、その生徒の心身の状態に応じた為された例外的な措置であり、同通学指導は一週間ほどで終了している。

6 「第2」、「3」、「」、「ウ」、「(ウ)」、「ⅰ)」、「・第2段落」について

被告は、原告の指導上の問題点があった例として、原告が授業感の教室移動の際に、N君の手を引いて移動させたことがあったことを挙げる。しかし、これは指導上の問題点とはいえない。

原告在職時に、校長から原告に対して、「授業の教室間移動の際に、N君の手を引いて移動させたこと」について指摘があったことは、認める。しかし、N君は1グループに属し、同グループでは、グループの担当が教室に迎えに来る体制となっており、移動の際に手をつなぐことが考えられないのであり、被告が、原告がN君の手を引いて移動させた点を指摘するのであれば、その具体的日時と状況を明らかにすべきである。

そもそも、障がいを持った生徒の手をつなぐか否かは、非常に難しい判断が要求される。手をつないで移動することが常態化すれば、生徒は手をつながなければ移動できなくなり、生徒の自立を阻害する恐れがある。しかし一方で、N君のように突然飛び出す習性のある生徒の場合、下校時の玄関ホールなど、混雑している場所で飛び出すと、他の生徒にぶつかり、転倒させる可能性がある。

職員は、自らの経験に基づき、その場その場での咄嗟の判断を要求されるのであり、何が適切な行為であるかの判断は極めて難しい。それを事後的に、また一般的に評価し、指導上の問題点と捉えること自体誤りある。

7 「第2」、「3」、「」、「ウ」、「(ウ)」、「ⅱ)」、「・第1段落」について

被告は、「管理職がN君の一人通学指導を実施しないという判断をしたことはない」と主張するが、否認する。

校長は、原告と話をする際に、手帳を見ながら話すことが多く、原告の話を聞き、その内容を同手帳にメモしていたものと見られ、同手帳には、N君の対応についての校長の判断が記載されているはずであり、提出・開示を求める。

8 「第2」、「3」、「」、「ウ」、「(ウ)」、「ⅱ)」、「・第2段落」について

被告は、管理職らがN君の状況を把握していたと主張するが、管理職らがN君の状況を把握していたことは、否認する。

管理職らの通常業務は、教育現場と無関係な内容が多く、授業観察でしか生徒を観る機会がない。管理職らは、砂場遊びでN君が突然ぱっと飛び出していく様子など、日々のN君の様子を知らない。また、原告は、N君に玄関の靴箱を覚えさせるため、取り出しのし易い場所の靴箱を選び、目印として大きなマグネットシールを貼ったりするなど、生徒に合わせた様々な配慮を行っているが、管理職らはそれらを知る由がない。

被告は、N君の能力をより高い方に解釈しているが、管理職らが、授業観察でN君の様子を観たり、現場の職員から報告を受けたりしても、それをもってN君の心身の状況を正確に把握していたとは言えない。

9 「第2」、「3」、「」、「ウ」、「(エ)」、「ⅲ)」「・第1段落」について

原告が、N君の一人通学指導の実施計画を作成しなかった点は、否認する。原告は、一人通学指導の実施計画の作成に取りかかっており、N君の母親から、N君の中学校2年生の頃の担任の連絡先を聞き、電話を掛けて状況を聞いていた。原告は、一人で通学する距離を伸ばすときには、主幹及び副校長に判断して貰うという案を作成していた。

しかし、上記したN君の元担任は、N君の実際の指導を行っていなかったため、原告は、N君についてのより詳細な情報を知るため、副校長にN君の中学時代の資料の取り寄せを依頼し、N君の中学時代の資料が届くのを待ち続けていたが、副校長からは何の連絡もなく推移したところ、その間、管理職は、原告には何も知らせずに、他の教職員に実施計画の作成を命じていたのであり、原告が上記の資料が取り寄せられていたことは、本訴訟において初めて知ったという有様である。

N君の中学時代の資料も、本件における判断資料として有用であるので、開示を求める。

10 「第2」、「3」、「」、「ウ」、「(エ)」、「ⅳ)」「・第3段落」について

一人通学指導が、ほぼ勤務時間内に行われていた点は、否認する。副校長は、原告に対し、N君の一人通学指導を行う場合には、勤務の振り替えを行うと発言したが、副校長自身は、一人通学指導が勤務時間外に及ぶことを認識していたからこそ、かかる発言を行ったのである。

11 「第2」、「3」、「」、「エ」、「(ア)」、「ⅰ)」「・第2段落」について

被告は、校外学習の際に、副校長がN君を担当し、引率したとするが、これは明らかに事実に反する。被告は、副校長が校外学習に参加したことを示す資料を開示、提出されたい。

12 「第2」、「3」、「」、「エ」、「(イ)」、「・第2段落」について

被告は、管理職が他の教職員に対しても教室に入っての授業観察を行っていたと主張するが、問題となるのはその頻度である。仮に他の教師に対して授業観察を行っていたとしても、原告に対する授業観察は他に比べ圧倒的に多かったのである。

13 「第2」、「3」、「」、「・第3段落」、第3段落について

介護休暇が、管理職らの加害行為と無関係であることについて、争う。病気休職の方が、介護休暇よりも給与面で有利であり、原告は当初病気休職を取るつもりでいた。しかし、母の通院に付きそう機会もあるため、事務に対して「病気休職中に母の通院に付き添っても大丈夫か」と尋ねたところ、「たまになら良いが、頻繁だと好ましくない」との回答を得た。原告が病気休職ではなく介護休職を選択したのはかかる事情に基づくのであり、原告の身心の不調は介護休暇中も継続していた。

14 「第2」、「3」、「」について

被告は、原告が三楽病院以外の通院歴があると主張するが、他院の通院歴と因果関係との結びつきが不明である。

仮に、被告が、原告が平成22年に三楽病院に通院していたことをもって素因減額を主張するのであれば、同病院への通院の経緯について追って反論する。

第2 原告の主張

1 N君の一人通学指導の問題点

原告は、長年に亘る特別支援学級の教員としての経験から、「どんな子でも教員が一人付けば一人通学指導を行うことは可能である」と考えている。問題は、生徒が教員なしで一人通学ができるようになるか否かである。

教員が付き続ければ一人通学が可能であるが、一人通学ができるようになる見込みがない生徒については、長ければその生徒が卒業するまで教員が付き続けなければならない。担当する教員の負担は計り知れず、事実上不可能事である。

2 特別支援学級の教員の負担

原告は、N君の一人通学指導を一度開始すると、長ければN君が卒業するまで一人通学指導を継続しなければならなくなることを危惧した。なぜなら、特別支援学級の教員は、通常の業務だけでも相当加重なものであり、それに加えて一人通学指導をし続けることは物理的にも不可能だったからである。

障がいを持った生徒の能力は、人によって大きな差がある。そのため、能力に応じて教材を作成する必要がある。どのような教材を作るかについてはマニュアルがなく、教員は自分で考えて教材を作成する必要がある。

例えば、原告が教材としてカルタを用いる場合、カルタの内容を考え、図書館に行って絵を探し出し、印刷してラミネート加工し、生徒一人につきにワンセット、計7セットを作成していた。授業一コマ一コマについて、内容を考えて準備しなくてはならず、休み時間も休めないのが現実である。しかも、セキュリティー上の問題で、仕事を自宅に持ち帰ることができず、N君の一人通学指導を継続して行うことになった場合、授業の準備が充分に行えなくなることは明らかであった。

3 被告の注意義務の内容について

本件は、N君の母親の学校に対する要望、そして、学校がそれに対してどのような対応を為したか、の事実関係が明確となって初めて学校側に要求される注意義務が指摘できる。

原告は、管理職らに対し、再三に亘りN君の母親の要望を明らかにするように求めたが、管理職らはそれを明らかにせず、原告に対し、原告の非を前提とした一連の措置を行ってきたのであり、被告の注意義務の内容を明らかにするためには、N君の母親の要望を明らかにする手紙及び連絡帳等、並びにN君の母親に対する対応等が記載された校長及び副校長のノート等の顕出が必須である。

現段階では、①N君は一人通学ができるようになる見込みがないにも拘わらず、管理職らが一人通学指導を認め、原告一人にそれを押しつけてきたこと、②本来であれば、複数の教職員らで一人通学指導を行うようにするなど、体制を整えたうえで一人通学指導の開始を決定するべきであったにも拘わらず、それを行わなかったこと、③管理職らが、N君の母親とのやり取りを明らかにしない一方で、原告に面談を強いて回答困難な課題を出すなど、不当な業務命令を出したこと、④管理職らが、本来であればN君の母親の、正当とはいえない要望を拒絶し、原告の職場環境の改善に協力すべきであったのに、N君の母親に言われるがまま、本来不必要な行為を行ったこと、を注意義務違反の内容として主張するであり、被告からの資料が顕出された後に、改めて詳細に主張することとする。

第3 文書の提出要請

 以下の文書の開示、提出を求める。

1 葛岡裕元校長のノート

葛岡裕元校長は、原告と話をする際に、手帳を見ながら話すことが多かった。また、原告の話を聞き、内容を手帳にメモしていた。私的なものではなく、業務日誌に近いものであると見られる。

2 中村良一副校長のノート

中村良一副校長も、N君の母親とのやりとり等について、ノート等にメモを取っていたと見られる。

3 N君の母親が書いた手紙及び連絡帳

N君の母親が管理職や千葉に宛てて書いた手紙や連絡帳は、被告が保有している。

4 N君の年間指導計画

5 N君の一人通学指導計画

6 N君の身心の状態、能力について記載した書面



以上
270120 #izak 原告側第1準備書面 岡崎克彦裁判長 要録偽造
平成26年(ワ)第24366号 国家賠償請求事件
 

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