テキスト版 TM 261104 段落番号付き二審甲第1準備書面 高橋実沙訴訟
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東京高等裁判所 令和8年(行コ)第241号
行政文書開示に係る履行義務確認請求控訴事件
(原審 東京地方裁判所令和7年(行ウ)第511号)
控訴人
被控訴人 国
東京高等裁判所第19民事部ホ2係 御中
萩本修裁判官 様
原告
二審甲第1準備書面(高橋実沙訴訟)
令和8年11月4日
◎ 本件で使用する略語一覧
・数字φ=段落番号
・被控訴人答弁書=白石和江答弁書
・白石和江答弁書6φ=白石和江答弁書<p2>13行目からの答弁内容
・控訴状の段落番号については、「 別紙 二審甲第1準備書面添付資料 段落番号付きTM260630 控訴状 高橋実沙訴訟 」を見て下さい。
https://plaza.rakuten.co.jp/marius/diary/202611020003/
・理由記載義務=民事訴訟規則79条第3項所定の否認する場合に発生する義務
・認否反論記載義務=民事訴訟規則80条第1項所定の義務
・答弁書の書証(写し)添付義務=民事訴訟規則81条所定の義務
・擬制自白(みなし自白)=答弁書に認否や反論を記載しない場合、民訴法159条1項により、その事実を自白したものとみなされこと
第1 本準備書面の目的
1φ 本準備書面は、被控訴人答弁書6φの主張に対する認否及び反論をするものである。
2φ 控訴人は、控訴状4φにおいて、「原判決を、民事訴訟法306条に基づき取り消す。」との判決を求め、その具体的理由として、控訴状13φないし50φにおいて、原審の訴訟手続の違法を具体的事実に即して主張した。
3φ これに対し、被控訴人は、白石和江答弁書6φにおいて、以下のとおり主張した。
「また、控訴人は、控訴状において、原審の訴訟手続が憲法及び民事訴訟法の規定に違背する旨るる主張するが、その内容は、いずれも控訴人独自の見解に基づくものにすぎず、原審の訴訟手続が憲法及び民事訴訟法の規定に違背しないことは明らかである。」
4φ しかしながら、上記答弁は、控訴人が摘示した個々の具体的な訴訟手続上の事実について、これを認めるのか、否認するのか、否認するのであればその理由は何かを明らかにしていない(理由記載義務)。
5φ そこで、以下、控訴状13φないし50φにおいて摘示した各手続上の事実を個別に特定し、それぞれについて白石和江答弁書6φに対する反論をする。
第2 主要事実について審理及び事実認定手続を行わなかったこと
1 控訴状における主張
6φ 控訴人は、控訴状13φにおいて、本件の主要事実は、「甲第2号証(表紙欠落版)が原本電子データと一致するか否か」であると主張した。
7φ さらに、控訴状14φないし16φにおいて、被控訴人が「原本電子データが存在する」と認めていること、控訴人が原本提出を求め続けたこと、しかるに原審が上記一致性について審理せず、事実認定手続を行わなかったことを主張した。
8φ そして、控訴状19φないし22φにおいて、原審が、原本電子データと甲第2号証との一致性について証拠調べ及び審理を行わず、主要事実についての事実認定手続を欠いたことが、民訴法177条及び247条の手続に違反すると主張した。
2 答弁書6φの記載
9φ これに対する白石和江答弁書6φの記載は、「その内容は、いずれも控訴人独自の見解に基づくものにすぎず」、「原審の訴訟手続が憲法及び民事訴訟法の規定に違背しないことは明らかである」というものである。
3 認否・反論
10φ しかし、控訴人が摘示した事実は、単なる法律上の見解ではない。
11φ すなわち、以下の通りの具体的な事実である。
①原本電子データが存在したか、
②被控訴人がその存在を認めたか、
③控訴人が原本提出を求めたか、
④原本電子データと甲第2号証との一致性について審理及び事実認定手続が行われたか、等である。
12φ しかるに、白石和江答弁書6φは、上記各事実について個別に認否せず、これを一括して「控訴人独自の見解」と評価しただけである。
13φ したがって、白石和江答弁書6φは、控訴状13φないし22φによって摘示した具体的事実に対応した認否及び反論をしていない(認否反論義務)。
第3 主要事実について争点整理を行わなかったこと
1 控訴状における主張
14φ 控訴人は、控訴状23φにおいて、「原本電子データと甲第2号証が一致するか否か」を争点として特定した。
15φ その上で、控訴状24φ及び控訴状26φにおいて、原審は当該事項について争点整理を行わず、争点を確定しないまま審理を終了したと主張した。
16φ そして控訴状29φにおいて、この手続が民訴法149条に違反すると主張した。
2 白石和江答弁書6φの記載
17φ これに対しても、白石和江答弁書6φは、「控訴人独自の見解に基づくものにすぎず」、「違背しないことは明らかである」とするのみである(理由記載義務)。
3 認否・反論
18φ しかし、ここで控訴人が問題としているのは、抽象的な法律評価ではなく、原本電子データと甲第2号証との一致性について、原審が争点整理を行ったという事実が存在するか否かである。
19φ したがって、これを否認するのであれば、少なくとも、原審が、いつ、どの手続において、いかなる方法でこの争点を整理したのかを具体的に明らかにする必要がある。
20φ ところが白石和江答弁書6φには、「争点整理を行った」との具体的事実すら摘示されていない。
21φ よって、「控訴人独自の見解」との評価は、控訴状23φないし29φで摘示された具体的事実に対する認否及び反論とはなっていない(認否反論記載義務)。
第4 篠田賢治裁判官は原本について証拠調べを行わなかったこと
1 控訴状における主張
22φ 控訴人は、控訴状30φにおいて、原本電子データの存在は被控訴人の自白によって確定していると主張した。
23φ 控訴状31φないし39φにおいて、原本電子データと甲第2号証との一致性を判断するため原本提出及び原本検証を求めたにもかかわらず、一審篠田賢治裁判官はこれを行わず、原本についての証拠調べを行わなかったと主張した。
2 白石和江答弁書6φの記載
24φ これに対しても、白石和江答弁書6φは、「その内容は、いずれも控訴人独自の見解に基づくものにすぎず」とするのみである(認否反論記載義務)。
3 認否・反論
25φ しかし、ここで問題となっている事実も具体的に特定できる。
すなわち、
①原本を提出したか。
②原本について検証がされたか。
③その他原本についての証拠調べがされたか。
という客観的に確認可能な訴訟手続上の事実である。
26φ しかるに白石和江答弁書6φは、原本提出を行ったとも、原本検証を行ったとも、その他の証拠調べを行ったとも主張していない(認否反論記載義務)。
27φ また、原本についての証拠調べを必要としなかった、主張するのであれば、その根拠となる具体的な事実を記載した上で書証(写し)を添付することになっているが、どちらもしていない(書証添付義務)。
28φ したがって、白石和江答弁書φの「控訴人独自の見解」との評価のみでは、控訴状30φないし39φが摘示する証拠調べの有無という具体的事実に対する認否及び反論にはならない。
第5 主要事実について判決理由を示さなかったこと
1 控訴状における主張
29φ 控訴人は、控訴状40φないし50φにおいて、原判決には主要事実についての判断理由が欠落していると主張した。
30φ 具体的には、控訴状41φないし控訴状46φにおいて、次の6事項を特定した。
①原本電子データの存在をどのように評価したのか。
②原本提出命令を行わなかった理由。
③原本検証を行わなかった理由。
④主要事実を判断しなかった理由
⑤文書提出命令を行わなかった理由。
⑥甲第2号証の成立真正を認めた根拠。
2 白石和江答弁書6φの記載
31φ これに対しても、白石和江答弁書φは、「控訴人独自の見解に基づくものにすぎず」、「違背しないことは明らかである」と述べるだけである。
3 認否・反論
32φ しかし、控訴人の上記主張には、原判決に上記6事項についての理由の記載が存在するか否かという、判決書そのものによって客観的に確認できる事実が含まれている。
33φ したがって、被控訴人が「違背しないことは明らか」と主張するのであれば、原判決のどの記載が上記①ないし⑥についての判断及び理由に該当するのかを具体的に特定することができるはずである。
34φ しかし、白石和江答弁書φは、その記載箇所を一つも特定していない。
35φ したがって、白石和江答弁書6φは、控訴状40φないし50φにおいて摘示された「判決理由の記載の有無」という具体的問題に対する反論になっていない(認否反論義務)。
第6 民事訴訟規則79条3項及び80条1項との関係
36φ 民事訴訟規則80条1項は、答弁書について、訴状に記載された事実に対する認否及び抗弁事実を具体的に記載し、立証を要する事由ごとに重要な関連事実及び証拠を記載することを定めている。
最高裁判所公表の民事訴訟規則においても、答弁書は第79条ないし第85条の「準備書面等」に位置付けられている。
37φ また、民事訴訟規則79条3項は、相手方の主張する事実を否認する場合には、その理由を記載しなければならないという構造を採っている。(否認理由記載義務 )。
裁判所の案内においても、事実と異なる旨主張して否認するときは「否認する」と記載するとともに、否認の理由を記載するものとされている(否認理由記載義務)。
38φ しかるに、白石和江答弁書6φは、控訴状13φないし50φによって具体的に摘示された、以下の4点について、個別の認否を示していない(認否記載義務)。
①主要事実についての審理及び事実認定の有無、
②争点整理の有無、
③原本についての証拠調べの有無、
④原判決における判断理由の記載の有無、等である。
39φ また、これらを否認するものだとしても、その否認理由となる具体的事実を明らかにしていない。
40φ 「控訴人独自の見解に基づくものにすぎず」との記載は法的評価であって、それのみでは、上記①ないし④の具体的な事実の存否に対する回答とはならない。
41φ 同様に、「原審の訴訟手続が憲法及び民事訴訟法の規定に違背しないことは明らかである」との記載も結論を述べたものであり、その結論を導く具体的事実を明らかにするものではない。
7 被控訴人に具体的な認否が可能であること
42φ 被控訴人は国であり、本件答弁書は国の訴訟遂行を担当する上席訟務官白石和によって作成提出された答弁書である。
43φ したがって、控訴人が摘示した個々の事実について、これを認めるのか否認するのかを明らかにし、否認するのであれば、その具体的理由を示すことができない事情があるとは考え難い。
44φ 特に、控訴人が摘示している事実は、争点整理、証拠調べ及び判決理由の記載の有無という訴訟記録又は判決書によって確認可能な事項である。
45φ それにもかかわらず、具体的な認否及び否認理由を記載することなく、これらを一括して「控訴人独自の見解」と評価することは、適切な争点整理の観点から問題がある。
第8 民事訴訟法2条との関係
46φ 民事訴訟法2条は、当事者に対し、信義に従い誠実に民事訴訟を追行することを求めている。
47φ 控訴人は前記のとおり、原審において何が行われず、それがいかなる手続違法を構成するのかを、控訴状13φないし50φにおいて個別具体的に摘示した。
48φ これに対し、被控訴人が具体的な認否及びその理由を明らかにすることなく、単に「控訴人独自の見解」「違背しないことは明らか」と回答するにとどまることは、控訴人としては、民訴法2条が要求する信義誠実な訴訟追行の趣旨にも反するものと主張する。
49φ もっとも、現段階の資料のみから、認否を具体化しなかった行為が、即「故意」であったことまでを客観的事実として断定するものではない。
控訴人は、被控訴人が具体的な認否をなし得る立場にありながらこれをしていない点について、釈明を求める。
第9 求釈明
50φ 以上のとおり、白石和江答弁書6φは、控訴状13φないし50φによって具体化された各手続上の事実に対して個別の認否及び否認理由を記載せず、「控訴人独自の見解に基づくものにすぎず」、「違背しないことは明らかである」との包括的な結論を記載するにとどまっている。
51φ そのため、白石和江答弁書6φのみからは、被控訴人が、控訴人の摘示した各事実自体を否認するのか、それともその事実を前提としながら法的評価のみを争うのかが明らかではない。
52φ そこで控訴人は、争点を明確にするため、被控訴人に対し、次の各事項について認否及び否認する場合の具体的理由を明らかにするよう釈明を求める。
53φ ①原審において、「原本電子データと甲第2号証との一致性」について審理及び事実認定手続を行ったとの主張であるか。
54φ ②原審において、同事項について争点整理を行ったとの主張であるか。行ったとの主張であれば、いつ、いかなる手続において、どのように争点整理を行ったとの主張であるか。
55φ ③原審において、原本電子データについて証拠調べを行ったとの主張であるか。行ったとの主張であれば、どのような証拠調べを行ったとの主張であるか。
56φ ④原判決には、控訴状41φないし控訴状46φにおいて控訴人が摘示した6事項について判断及び理由が記載されているとの主張であるか。記載されているとのであれば、原判決の該当箇所をそれぞれ特定されたい。
第10 結論
57φ 以上から、白石和江答弁書6φは、控訴状13φないし50φによって具体的に摘示された各手続上の事実について、個別具体的な認否及び否認理由を示していない。
58φ したがって、白石和江答弁書6φの「控訴人独自の見解に基づくものにすぎず」及び「違背しないことは明らかである」との記載だけをもって、控訴状4φを具体化した控訴状13φないし50φの各主張を排斥する理由とすることはできない。
59φ よって、控訴人は、白石和江答弁書6φについて前記記載53φないし前記記載56φの事項を具体化するよう、裁判所から被控訴人に対して釈明を求めることを申し立てる。
以上
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