280927 #izak #本人調書 #葛岡裕 #ベタ打ち版
読んでないので真偽不明。録音テープとの比較はさせない。
平成26年(ワ)第24336号 国家賠償請求事件 #鈴木雅久裁判官
裁判所速記官 #持木みどり
裁判所速記官 #畑岡裕子
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裁判所書記官印 (本多香織)
証人調書
(この調書は,第13回口頭弁論調書と一体となるものである。)
事件の表示 平成26年(ワ)第24336号
期日 平成28年9月27日 午後1時30分
氏名 葛岡裕
年齢 58歳
住所 東京都北区十条台一丁目8番41号
東京都立王子特別支援学校
宣誓その他の状況 裁判長(官)は,宣誓の趣旨を説明し,証人が偽証をした場合の罰を告げ,別紙宣誓書を読み上げさせてその誓いをさせた。
後に尋問されることになっている証人は在廷しない。
陳述の要領
別紙速記録記載のとおり
宣誓★せんせい★
良心★りょうしん★に従★したが★って真実★しんじつ★を述★の★べ,何事★なにごと★も隠★かく★さず,偽★いつわ★りを述★の★べないことを誓★ちか★います。
氏名 葛岡 裕
速記録(平成28年9月27日 第13回口頭弁論)
事件番号 平成26年(ワ)第24336号
証人氏名 葛岡 裕
被告指定代理人(荒井)
乙第25号証を示す
この陳述書は,指定代理人が証人からお聞きした内容を記載して,証人がその内容を確認した上で署名押印したものに間違いありませんか。
はい,間違いありません。
この陳述書の中でどこか訂正するところはありますか。
はい。1ページの大きな2番に「・」が2つあります。その2つ目の2行目に「通学区域内にある」というふうに書いてありますが,ここは正確には「通学区域在住の」というふうになります。
そのほかにはよろしいですか。
はい。
証人は都立葛飾特別支援学校の校長をされていましたか。
はい,しておりました。
それはいつからいつまでですか。
平成24年4月1日から平成27年3月31日までです。
平成24年4月に葛飾特別支援学校に入学したN君及びN君のお母さんを知っていますか。
はい,知っております。
N君のお母さんから,N君の一人通学指導について相談を受けたことがありますか。
はい,あります。
時期は覚えていますか。体育祭の前だったでしょうか,後だったでしょうか。
体育祭の後だったように覚えております。
授業参観との週の関係ではどうだったですか。
おおむね授業参観の週が6月の初めですので,大体一致していると思います。
どのような相談を受けましたか。
自分の息子がいずれ自立するときには,会社ないし作業所に一人で通わなければいけない。そのために高等部でも一人通学の指導をしてほしいが,担任に要望したところ,それを行ってもらえないというようなお困りの相談でした。
保護者の方が校長室に相談に来るということはよくあることなんでしょうか。
めったにありません。
そのときのお母さんはどんな印象でしたか。
非常にお困りだった,内容としてはそうでしたけれども,非常に熱心な親御さんで,お子さんの自立に向けて一生懸命に努力してるという,そういう点では立派な親御さんだなというふうに私は感じました。
口調や態度が威圧的だったようなことはあったでしょうか。
いや,そういうようなことはないです。
お母さんから相談があった後,N君の担任である千葉先生から事情を聞きましたか。
はい,聞きました。
千葉先生は,なぜN君の一人通学指導に消極的だったのでしょうか。
一人通学指導に関して,原告が,まず適切でないというふうに言っておりました。同じ学級の担当として,ある面で歩調を合わせたのではないかというふうに思われました。
N君の一人通学指導をするよう千葉先生を説得しましたか。
はい,私のほうは説得しました。
どのように説得をしましたか。
N君は高等部に上がる前の中学部の学校,別の学校なんですが,中学部の学校で一人通学指導をし,ある程度,電車に乗車をするというところまでの指導が進んでいたと。そういう指導が中学部で行われたならば,高等部で何もできないということはないだろうという考えに私は立っておりました。ということで千葉教諭には,一人通学をする場所が違うということもあるので,できることを計画的に,まず計画書を作って,それでできることを積み重ねていくような段階的な指導をとりなさいというふうに言った記憶があります。
説得した結果はどうでしたか。
千葉教諭のほうは,分かりましたということで,それだったらやってみますという回答だったです。
原告からも事情を聞いたでしょうか。
はい,聞きました。
原告は,なぜN君の一人通学指導に消極的だったのですか。
まだ時期尚早だというような内容だったように記憶しております。具体的には,まだ一人通学をするための能力,例えば左右が分からないんじゃないか。それから,危険を回避できないんじゃないか,突発的な行動があって危ないというような理由で,指導が適切ではないというふうに回答があった記憶があります。
N君の一人通学指導をするように原告を説得しましたか。
説得しました。
どのように説得をしましたか。
これも同じように,とにかく計画を立てるようにということを伝えました。スモールステップ,段階的に指導をするようにと,そういう内容だったように思います。
原告を説得した結果はどうだったでしょうか。
実際には,それは行わないということでした。
行わないことについて原告は何か理由を述べましたか。
・・・休憩時間に入ってしまうと。そうなってしまうと,それがボランティアに,職務じゃなくてボランティアになってしまうと。そうした場合に自分では責任が取れないというようなことを言っていました。
原告は説得に応じなかったということですね。
はい。
原告が説得に応じないままN君の一人通学指導を始めたということでよろしいですか。
はい。千葉教諭が親御さんと協力して行うということで進め始めたというふうに覚えております。
N君の一人通学指導計画は誰が作成したのでしょうか。
主幹教諭,生活指導担当の主幹教諭です。
原告は一人通学指導計画を作成しましたか。
いや,してないはずです。
N君の一人通学指導が千葉教諭を主体として始められたわけですが,N君の一人通学指導が始まってから,お母さんが相談にいらしたということはありましたか。
はい,ありました。
時期は覚えていらっしゃいますか。一人通学指導が始まってどのくらいたった頃だという。
1週間,2週間はたってないんじゃないかと,1週間ぐらい後じゃないかというふうに記憶しております。
一人通学指導が始まったのに,N君のお母さんは,なぜまた相談にいらしたんでしょうか。
1つには,一人通学指導を行ってて車と接触しそうになったことがあったと。そのことに関して親御さんは,危険な点を察知してそれを自分で回避ができたというように肯定的な見解を持ったものに関して,原告は,非常に危険なことがあって,もうこれはとても危なくて続けられないというようなことを言ったことに関して,そういう点では親御さんが肯定的,原告は否定的と,その見解に親御さんのほうは非常に残念に思っていらっしゃったと。そういう点も含めてですけれども,指導の点,そのほかの指導の点にも心配があるというようなことを親御さん,私のほうに話をしておりました。
N君のお母さんがまた相談に来たということについて,原告と話をしましたか。
話をしました。
(以上持木 みどり)
甲第2号証の1を示す
1と書かれているところに「担任から今井をはずせ」というふうな記載がございます。これはN君のお母さんがこのようなことを要望したということでしょうか。
はい。こんな乱暴な言葉だとは思いませんけれども,内容的にはこのようなことです。
N君のお母さんがこのようなことを要望したことに対して,証人はどのように応じましたか。
私は担任を替えることはできないというふうに話をしました。
証人がそのように説明しても,なお,N君のお母さんは原告を担任から外すよう,要望を繰り返すようなことがありましたか。
担任を替えるというようなことに関してはこだわっておりませんでした。原告の指導から離れることができるというようなことを要望していましたので,例えば,N君を別のクラスに入れてほしいというような要望を改めて出したというふうに私は覚えております。
甲第15号証を示す
1枚目の0621と書かれているところの下に,質問1,質問2というのがあります。この質問2について読み上げます。「0621(木)連絡帳の連絡事項に書いて答える。『ご質問にお答えします。『ボラ』『事故』について,休憩時間中に事故が起きたときの責任は誰が取ることになるかということです。担任がボラとしてやっていて,責任を取ることになるのかということです。休憩時間を別にとり,業務であるので,責任は学校にあるということで解決しました。また,『組合としてはそうでしょうが』ということに対して,私は組合員ではありません。」ということが証拠に記載されています。N君の連絡帳に,これと同じことが記載されているのを見たことがありますか。
はい,見たと思います。
原告は,なぜ,このようなことを連絡帳に書いたのでしょうか。
原告は,もしかすると親御さんのほうから訴えられるのではないかということを心配していました。そのためにちゃんとこういうやり取りを,何らかの共有のもので残しておくというような理由からだったと思います。
連絡帳にこのようなことが記載されているのを見て,証人はどのように思いましたか。
私はとてもやっぱり残念でしたし,親御さんは非常に苦しいだろうというふうに思いました。といいますのは,これまで私も教員をしていまして,親御さんにとってこの連絡帳というのが成長の記録というんですか,いいことばかりじゃないかもしれないけれども,子供のそのときそのときの成長の様子が現れる,だから大人になってからそれを見返す楽しみがある,というふうに思っていらっしゃる親御さんが多いので,大人どうしの何らかのトラブルがそこに書かれているということに関しては,非常に嫌っているお母様,お父様が多かったです。そういう点では,非常にお母様はつらかっただろうなというふうに思います。
N君のお母さんが学校に対して,通知表の担任欄から原告の氏名を外すように要望したことがありますか。
あります。
N君の通知表の担任欄から,原告の氏名を外しましたか。
外しました。ただ,通知表といいましても,一般的に学期の終わりに成績が全部載るような通知表とは違いまして,それはそれでまた別にあります。これは公簿でもありませんし,学期ごとに所見のようなA4,1枚程度の紙のところに,一番下のところだったと思うんですけれども,担任名を書き入れる欄があります。そこの名前を主担任のみにしたということになります。
原告の氏名を外したのはどうしてでしょうか。
お母様がこれまで,1学期間ですけれども,入学して期待をしていた内容と大きく違ってしまったと。そのことに対して学校のほうでも努力をしてきたんだけれども,どうしても担任との関係がその段階で修復できないような状況だったと。そういう親御さんの気持ちというものをまず踏まえる必要があるだろうというふうな判断で,私は担任の名前を記さないということを決定しました。
続いて,授業観察について伺います。原告の授業観察を行ったことはありますか。
はい,あります。
授業観察を行ったのはどうしてでしょうか。
授業観察は管理職として必ず行わなければいけない役割です。それは授業力を高めるということもありますけれども,正常な学級運営,学級経営が行われているかどうか,施設の安全確認等も含めて管理職として行わなければいけないことです。ただ,今回は,親御さんのほうから心配な点があるというようなお話もありましたので,そのことを,現場を見ないで何らかの判断をするというわけにもいきませんので,そういう意味では早めに授業観察を行いました。
乙第25号証を示す
5ページ目の5行目の後半に「母親の心配(原告が後戻りの指導をしていること)」とあります。後戻りの指導とはどんなことでしょうか。
子供の成長,発達に関して,環境だとか教育的な計画というものはとても大事です。そういう意味で自立した生活をしていくためには,私たちの支援をできるだけ少なめにする。何をしたらいいかということはきちっと理解させるけれども,具体的な支援をできるだけ少なくしていくということで子供たちは力をつけてまいります。例えば,目的の場所に行くということに関しては,その目的の場所が分かって,自分で行けるんだったから,自分で自立して行けるようにそれを促していけばいいんであって,ただそれを,例えば手を引っ張って連れていってしまうとなると依存になってしまうんですね。今までせっかく自立をする教育を実行して,それが力になったというところが,また次の学習が不適切だったために元に戻ってしまう。できたことができなくなってしまう,そういう意味合いです。
原告がN君の手を引っ張って歩くようなこと,後戻りの指導をしているということは,現認されたのでしょうか。
私は現認してません。
何かそういうことがあったということを聞いたことがありますか。
登下校のときに一緒に行動する方から,最近よく手をつないでほしいというようなそぶりをN君がするということが報告されまして,校内では副校長が,原告がN君に対して手を引っ張って指導をしているという現場を見たということを聞きまして,間違いないだろうということを思いました。
原告代理人(辛嶋)
まず,N君の母親との接点についてお伺いします。N君の母親と最初に直接話をしたのはいつですか。
直接話をした,例えば挨拶などは玄関のところでしますので,何か直接要望等を聞いたというのは6月の初めになります。
5月の中旬頃に,要望等を聞いて話すことはありましたか。
5月の中旬というと,体育祭前なので,多分そのときはまだ何か要望を聞くというようなことはなかったように覚えています。
では,6月以降に,具体的にどのような会話がなされたか記憶していますか。
具体的に対話というか,まず親御さんのほうの要望がありましたので,一人通学の指導をしてほしいけどしてくれないんだというようなことで,どうにかしてほしいという要望を受けています。
あなたはN君の母親とのやり取りについて,手帳やメモなどに記録をつけていましたね。
手帳というのは私は使っておりませんので,1日のスケジュール帳というのを使っておりました。そういうものには何かしら行ったこと等は書いてあるとは思います。
それは毎回,そのスケジュール帳に,N君の母親が話した内容について記載していましたか。
毎回かどうか・・・というのは,必ずその場に置いてあるとは限らなかったものですから,そのまま口頭で聞く場合,それから立ち話のようなものももしかするとあったかもしれません。
この訴訟が始まってから,被告側は,あなたの手帳,恐らくそのスケジュール帳だと思うんですけれども,その開示というのを一貫して拒否しているんですが,あなた自身としてもそうした書類は裁判所に出したくないという意向ですか。
スケジュール帳というか,A4,1枚の紙で1日分なんですね。そういうのはもう年が終われば処分してしまいますので,もう学校も替わっております。
あなたは,黒い表紙の手帳なり,スケジュール帳なのかは分かりませんけれども,ノートみたいなものに,N君の母親とのやり取りを記載していたのではないですか。
覚えがないです。
陳述書に,N君の母親が,原告にモンスターペアレント対策の研修を受けるように勧めてほしいといった旨の記載がありますが,まずこのような研修があるのですか。
私は分かりません。
乙第25号証を示す
4ページ目に「『モンスターペアレント対策』研修を受けるよう勧めて欲しい」とありますね。このような事実はあったということでよろしいですね。
これは何かで読んだことがあります。
N君の母親がこのような要望をした趣旨をどのように理解されましたか。
原告との信頼関係がもうないような状況だというふうに私は考えました。
N君の母親は,自分のことをモンスターペアレントだと認識していたのですか。
自分のことを認識していたんではなくて,そういうような気持ちになっているということじゃないんでしょうか。モンスターペアレントというふうには,私からするとそういうふうには全く思いません。
N君の母親と,モンスターペアレント関係の話を,ほかにも何か行った記憶はありますか。
ないです。
N君の母親は学校に対しても様々な要求を行ってきたと思うのですが,N君の母親の印象というのは率直に言うとどのようなものですか。
様々な要求というよりは,ごく普通の要望だというふうに考えております。ということで,非常に熱心な親御さんで,お父様が亡くなられたということで,自分1人で自立をさせようと非常に熱心に指導をされて勉強もされていた方です。
一人通学指導の開始についてお伺いします。N君の母親が求めていた一人通学指導の内容は,概ねどのようなものだと理解していましたか。
決して一人で自宅から学校までというようなことではありません。ただ,今まで培った力が減っていかないように,とにかく今できることを一歩でも進めたいと,担任との連携をとってそういう指導が前進するようにというような気持ちだったと思います。
あなたがN君の一人通学指導を開始すると決めたのはいつですか。
最初の要望があったときですので,6月の上旬くらいですね。
では,それをN君の母親に伝えたのはいつ頃ですか。
私が伝えたかどうかは分からないんですけれども,その1週間,2週間後くらいにはもう指導が始まっていますので,もう一,二週間後には伝えている。必ずしも私が直接伝えたかどうかは何とも言えませんけれども,親御さんと千葉教諭のほうで進んでいます。
原告にはいつ頃伝えましたか。
同じくらいの時期だと思います。
一人通学指導を開始することを決めた最大の理由は,あなたの言葉で言うと何ですか。
中学部のときにある程度の通学指導ができていたと,本校でもできるところがあるのではないかと,できるところを進めていくことによってまた道は開けるというふうに考えてました。
あなたの陳述書には,千葉教諭へ一人通学指導の開始を説得した際,完全な一人通学でなくてもよいことを伝えたとあるのですが,この完全な一人通学でなくてもよいことというのはどのような意味ですか。
完全なというと,一人で自宅から学校まで登下校をすると。そういうところまでは求めていないよということです。例えば,学校からバス停まで自分で行けるようになるということも,そのお子さんの目標になっていきますし,できることを進めてほしいということです。
N君のお母さんは,作業所への一人通学ができるようになることを目的としていましたね。
はい。
あと,学校の教員の中で,N君の心身の状況を最もよく把握していたのは誰だと思いますか。
担任だと思います。
それは千葉教諭ということですか。
千葉教諭であるし,原告だというふうに思います。
千葉教諭は,N君の一人通学指導の開始に反対していましたね。
はい。
あなたはそれを受けて,一人通学指導は難しいと判断したのではないですか。
いや,そういうふうには判断してません。
一人通学指導の開始を決めたとき,N君が安全認識を獲得しておらず,飛び出し行為があるということは知っていましたか。
私はそういうふうにはつかんでおりませんでした。安全に対して認識がないとか,飛び出し行為があるといっても,飛び出し行為というのはその周りにいる人とか環境によって変わってきますので,十分指導は可能だというふうには思っておりました。
とすると,飛び出し行為があるということは知った上で,それは対策可能だというふうに判断されたということでよろしいですか。
はい,そうです。
N君は当時高校1年生で15歳だったと思いますが,コミュニケーション能力の向上や安全認識の獲得のための学習期間は二,三週間程度で足りると考えていましたか。
コミュニケーション指導に関してはもう小学校のときから積み上げてきたものがあるでしょうから,その引継ぎ等もしていますので,継続した指導をすればいいというふうに考えておりますし,安全指導に関しても,その環境をどう作っていくかということ,本人より周囲がどういうふうに対応するかというのが大事になってきますので,その点だけコミュニケーションが周囲の者ととれればいろんな指導が可能になってくると思います。
N君の一人通学指導を実際に行ったのは,いつからいつまでですか。
6月の中旬頃からその後。
卒業までですか。
卒業までいってると思いますね。
指導が終わったとき,N君は一人で通学ができるようになっていましたか。
一人で通学というのはどういうことでしょうか。
教員が付き添わなくても通学ができるような状況であったかということです。
それは,どこまでかということははっきり覚えてませんが,自分の家まで行くとかっていうことはなかったと思います。後ろから見守りが必要な点はあったと思います。ただ,一人で歩く距離は相当長くなったというふうに私のほうではつかんでおります。
N君の一人通学指導を千葉教諭が6月から開始したとありますが,これは毎日指導は行っていたのですか。
申し訳ない。毎日かどうかっていうのはちょっと私は何とも言えないんですけど。継続して行わないとこれは意味がありませんので,できるだけ毎日に近い形だったというふうに,そういうふうにしたと思います。
N君の進路はNPO法人あおぞら会就労支援センターファンタジアという,作業所と思われるところなんですけれども,N君はここを短期間で退所していまして,その退所の事情等は御存じですか。
いえ,知りません。
一人通学指導を開始することで,一人の教員に負担が掛かるとは思いませんでしたか。
担任の役割というところでは主になってやってもらう必要がありますけれども,必ずしも全て1人で負わなければいけないということではないです。
態勢作りが必要だとは思いませんでしたか。
態勢作りがあってもそれはいいと思います。
あと,連絡帳に関して,原告が親から訴えられるのを恐れているということを知っていましたね。先ほどの話で出てきたのですが。
訴えられるかもしれないということは言っておりましたが,現実問題として,親御さんが担任を訴えるということは実際にまだ経験が私もありませんので,それが本心なのか本心でないのか,私も何とも判断がつかないところです。
では,その点について,原告側の立場に立って考えたことは特にないということですね。
原告側の立場になって考えれば,そういうふうに親御さんが言われたときに,本当に何と思うかですよね。できることならば,それだけ親御さんがつらい思いをしているということを・・・。
乙第27号証を示す
一人通学指導計画ですが,この作成指示を出したのはあなたですか。
最終的には私ですけれども,副校長のほうから指示が出ていたと思います。
誰に作成するように指導されたか御存じですか。
生活指導担当の主幹教諭です。
この内容をあなたが把握されたのはいつですか。
時期は覚えておりません。
原告に一人通学指導の開始を求めましたか。
はい,求めました。
原告は実際に行いましたか。
行っていないと思います。
あなたは,この乙第27号証の内容のとおり,通学指導を開始する予定だったんですか。
計画書ですので,そのとおりにいかないといけないですね。
次に,授業観察や面談についてお伺いします。7月4日の面談で,N君の保護者が教育委員会や外部の機関に相談に行くと言っているが,それは一旦こちらで引き取り,代わりに私があなたの授業観察をして指導していくことになったと原告に説明しましたか。
そのような内容のことは話したと思います。
なぜ,教育委員会等への相談を一旦預かったのですか。
親御さんの要望としては,それを一旦まず管理職が受け止めるということは常識かと思います。
教育委員会へN君の母親が相談に行った場合には,あなたの学校長としての評価に影響があるとは予想していましたか。
そういうことは考えておりません。
授業観察は毎日行っていたということでしたが,1日に1回でしたか,それとも複数回でしたか。
すいません,原告のということですか。
はい。
毎日はできていないと思いますね。
授業観察を行った期間は,7月4日以降,夏休みに入るまでの期間ですね。
ごめんなさい,その時期は覚えておりません。
あなたが学校にいないときは,誰が授業観察をしていたのですか。
必ず毎日するというものではありませんので,大体週に一,二回,それでも多いくらいですので,いないときはいないで済ませていたと思います。
では,ほかの教員が授業観察を行うこともありましたね。
それはありましたね。
それらの教員と情報の共有はしていましたか。
それは,できるときとできないときがありました。
ほかの教員と話したときに,原告に問題があるという指摘はありましたか。
授業観察に関してはなかなか問題というのは出にくいところで,特にその授業観察でどういう問題があったかということに関しては,私のほうでは何か出てきたというふうには覚えておりません。
授業観察を行った目的ですが,N君の母親の要望について事実関係を確認するという理解でよろしいですか。
それだけではないですね。授業力の向上も含めて,親御さんに学校がやはり何か動いてくれているということを示していかなければいけなかった。それに関して,きちっと回答もしていかなければいけないので,現場をきちっと見るようにしていました。
では,N君の母親に対して,学校が動いているということを見せるという目的もあったわけですね。
それはあります。主目的というわけではないですけれども。
目的が幾つかあるとは思うんですが,それらの目的は果たせましたか。
全部果たせたというわけではないですね。
N君の母親に,授業観察で得た情報を伝えていましたか。
得た情報,必要なことは伝えたはずです。
どのような形で伝えていましたか。
どのような形・・・。
例えば,会った際であるとか。
それは会ったときだと思います。特別に校長室に出向いてということではなかったです。
面談は毎週行われていましたね。
毎週行われていたかどうかはちょっと記憶にありません。
一度の面談に掛かる時間はどの程度でしたか。
親御さんとの面談ということですよね。
違います。原告との面談ですね。
原告との面談。じゃあ,いつの面談ですか。
授業観察を開始した後に,原告と毎週面談を行っていたと思うのですが。
授業観察の後に毎週・・・私はそういう記憶はないです。7月の末から夏季休業中に面談をしたのは,週1回やってました。
毎週行う必要性はありましたか。
ありました。
それはどのようなものですか。
やはり適切に親御さんへの信頼回復ということができるように,それはやはり学校が,担任もそうですし,管理職もそうですけど,きちんと示していく必要がありましたので,そのためには具体的に教材作り等でしたけれども,そういうものが確実にできているかどうかというのは管理職が把握する必要があると考えました。
次に,原告がN君と手をつないでいたという話についてお伺いしますけれども,そのことが問題であると原告に直接伝えたことはありますか。
私が伝えたかどうかっていうのはちょっと覚えがありません。
では,ほかの副校長らが伝えたということはありましたか。
誰かは伝えていると思います。
校外学習の際に,N君が興味のある対象に突然走っていってしまうというエピソードがあるんですけれども,手をつながないという指導も絶対的なものではなくて,適切な状況判断が必要になるのではないですか。
適切な状況判断は必要だと思います。飛び出さないように指導するためにはですね。
次に,課題作成についてお伺いします。課題作成は,N君の母親の要望に基づくものではありませんね。
はい。
これは誰の発案ですか。
私又は副校長です。
作った課題について,N君の母親に報告しましたか。
ちょっと報告したかどうかは覚えてないですね。
では,課題はどのように活用したのですか。
課題はちょっと私どもが期待していたものとは違いました。コピー等をしたプリント教材だったというふうに記憶してます。
ここの教材の中には,オリジナルのものが含まれていたということは御存じでしたか。
いや,私は目に留まりませんでした。
N君の母親と原告との信頼関係の破綻は,原告の指導力不足が原因という考え方ですか。
原告の指導力不足,そうではないとは言いませんけれども,生徒や保護者に対しての教育の意欲というふうに私は思っております。
その点について,原告に指摘したことはありましたか。
ありました。
あなたは原告の指導上の問題点について,原告に特段大きな問題があるとは思えないというふうに思っていたのではないですか。
指導上の問題点という点では幾つか指摘されていることが出てきましたので,手つなぎだとか,あと日常生活指導の点でも。それから,机間指導のやり方にしても,やはりベテランでしたらもう一歩,メインのティーチャー,千葉教諭がリードしているところをうまくフォローができるのではないかというふうには思っておりました。
授業観察や課題作成によって,N君の母親の信頼を回復することはできましたか。
課題作成ではできなかったというふうに覚えています。
あなたが長年教育に携わってこられた中で,担任の名前を通知表から外すことはありましたか。
担任の名前を,通知表という言葉を使うかどうかなんですけれども,A4,1枚で学期末に配るものですので,それに関しては今まで抜いたことはありませんでした。
今回は極めて異例な事態だったと言えますか。
初めてのことでしたね。
原告が体調を崩していることはいつ知りましたか。
はっきりした時期は覚えてないです。7月だったと思いますね。
これに対して,何か措置をとりましたか。
本人が休暇を申請するということでしたので,その点に関しては副校長のほうが対応することになっておりました。
あと,葛飾特別支援学校の話ではないのですけれども,
乙第11号証の1,2を示す
これは今まで訴訟が始まってから御覧になったことはありますか。
はい,ありますね。
これが2枚に分かれている事情について,どういう事情で書式変更がなされたのか御存じですか。
これは本校の指導要録ではないので何ともこれは言えませんけれども,ちょうど今まで紙に書いていた指導要録がデータで保存されるということになって,本来だったらこういうふうに分かれる前にこちらに3年のが入るのが適当ではないかと思います。
乙第24号証の1を示す
この事務連絡に基づいて,書式変更がされたということになりますか。
ごめんなさい,これがどういう内容だか,ちょっと・・・。
学校長の立場からすれば,保護者から不満が上がってくる教員というのはどのような存在ですか。
どのような存在というよりも,一緒になって親御さんや子供たちの教育サービスに努めなければいけないので,いい方とか悪い方とかってそういう問題ではないというふうに考えています。
原告代理人(三木)
課題作成について,内容が期待したものとはかなり違ったと今おっしゃいましたけれども,期待と違ったというのは原告に伝えましたか。
いや,それは私からは伝えておりません。
伝えなかったのはなぜでしょうか。
彼自身の健康面だとか精神面だとかそういうことを考えると,もう率直に何でも言えるという状況ではなかったということです。
面談というのは,指導力が不足しているから,学校長らで指導していく必要があるという御説明もありましたね。
はい。
そういった中では,例えば期待と違う内容があったときには,それを指摘して指導するということが目的だったのではないでしょうか。
そういうことも必要だと思いますけれども,そこで何でも頭ごなしに,駄目,駄目というようなことが言えるような状況ではなかったというふうに私は判断しています。
あなたが面談で行っていた内容で,原告の指導力を向上させるための行為というのはどれだったというふうにお考えですか。
課題作成に関しての説明をしてもらいまして,そういう説明が適切にできるかどうかと,そういうのを私のほうで考えていたという記憶があります。
裁判官(川北)
乙第27号証を示す
指導計画ですが,1枚目にステップ1からステップ5でそれぞれ学校の支援というのが書かれていると思うんですけれども,これを今井先生が1人でやると仮定した場合に,物理的にはどれくらいの時間が掛かるんですか。
まずは,1番からですので。
ステップ1をやるとして,そのときには物理的に何分くらいが想定されるんですか。
1ですと5分から10分ですし,仮に4までいったならば15分くらいではないかというふうに思います。
帰宅のほうも,同じだけの時間ということになるんですかね。
そうですね。
一人通学指導をした場合は物理的にはその時間が掛かると思うんですけども,それ以外に追加で何かしなければいけない業務とかそういうものっていうのは,何か想定されるものはありますか。
この一人通学指導でということですか。
そうです。
基本的にはないですけれども,例えば途中で具合が悪くなった生徒が近くにいたらとか,それともその本人が何らかの体調を崩したりとか,忘れ物があったとかっていうのがあれば,そんな突発的なことに関しては何かプラスアルファになることはあるかと思います。
先ほど,一人通学指導をするとしたら,学校として何か支援態勢みたいなものを整備することもあり得るかもしれませんというようなことをおっしゃったと思うんですけれども,例えばどういうものが考えられるんですか。
例えば,基本的にはこれは担任が行うものなんです。ただ,担任ができないのならば,例えば部活動指導があるから担任が毎日はできないよというのであるならば,学年主任ができないところの日にちを補っていくだとか,できないところは組織的にできるように計画を立てるということです。
あなたが認識している限りでいいんですけど,いわゆる登下校そのものの時間帯に,今井先生がこれをしない場合には,何をしているということが想定されるんですか。
これをしない・・・。
つまり,一人通学指導をするとすると,8時30分の間は見守りのために外に出て見守るという作業をすることが想定されますね。
はい。
これを導入する前は,当然そういう業務はしてないということになると思うんですけれども,そうすると,その時期は今井さんは何をしているんですか。
授業の準備になるんじゃないでしょうか。それとも,出勤の時刻ですので,出勤が何時に来るかによって,ぎりぎりに来る場合だとか余裕を持って来る場合とかによって違います。
何か決まった固定的な業務がこの時間帯にあったとか,そういうふうな認識ではないということですね。
そうですね,はい。
裁判官(鈴木)
実際にN君に対する一人通学指導なんですけれども,この後,千葉先生が7月あるいは2学期以降も行ったという話なんですが,ほかの先生というのは千葉先生のバックアップをしたのでしょうか。
ほかの教員に関してするとすると,学年主任と主幹教諭ですね。実際にどういうふうに入ったかというのは私のほうには報告等はありません。
逆に言うと,何曜日は誰で,何曜日は誰みたいな感じに決めているのではなくて,先ほども最後におっしゃったように,基本担任が行うんだという理解でよろしいですか。
基本は担任が行います。ただ,特別な事情があって,もう原則を何らか組織的にやらなければいけない場合には書き入れることになります。
N君の場合はどうでしたか。
担任で行うというような計画だったと思います。
一人通学指導の計画をまず原告に命じたんだと思うんですけれども,その次に,千葉先生にも命じたんですか,命じなかったんですか。
千葉教諭には個人で話すというような形では命じてないですね。
実際に作ったのは主幹教諭という話なんだけれども,なぜ同じ担任でありながら,今井先生には命じて,千葉先生には命じないということだったんですか。
基本的に私たちが指導する場合には,同性介助,同性の指導というのを原則にしています。そういう点では,男性の生徒に関しては男性の教員にこういうことをしなさいということを私のほうでも言っています。
でも,それは排せつとかお着替えの話で,通学指導計画の立案なんて,主幹教諭も恐らく中村先生で女性なんじゃないですか。
はい,主幹ですので。
中村主幹というのは女性だし,千葉教諭も女性だから,そこで性別の話はあんまり問題にならないと思うんですよ。基本,担任がやれっていうんだったら千葉先生に言ってもいいのかなと思うんだけれども,その辺は何か説明できますか。
出てこなかったので,主幹教諭のほうに指示をしておりますので,それはやむを得ない状況ということで,できるだけ早く作る必要があったので中村が作成するように指示しました。
N君のお母さんが校長室に来たりしたことがあったと思うんですけれども,夏休みに入った後もそういうことはあったんですか。
いや,なかったように思います。
2学期以降は。
校長室で話した覚えはありません。
じゃあ,立ち話でもいいんですけれども,先ほどこれほどの強い口調じゃなかったというお話だったと思うんだけれども,担任から外せとか,研修を受けさせろとかいろんな要望があったと思うんです。そういう要望というのは,いつ頃やんだんですか。あるいは,あなたあるいは誰かが何をしたらやんだんですか。それとも,卒業までやまなかったんですか。
いや,やみました。というのは,N君に対して原告が指導をする場面を減らしていく,ないしはそうしないで済むような課程を作っていくということで,別の環境で指導を進めることによってそういう困ったということはなくなりました。
そうすると,ある意味,N君のお母さんと今井先生を引き離したという作戦というか対応をとったんだと思うんだけれども,先ほど一方で,夏休みには,N君のお母さんからの信頼を回復するために,今井先生あるいは学校がという中で毎週の面談であったり教材作成というものがあったんだけれども,離すのであれば,もう少なくとも今井先生の信頼という先生本人のほうは問題にならない気もするんだけれども,その辺の課題作成,あるいは面談の目的,目標は何だったんですか。学校の信頼だけなんですか。
いえ,そうではないです。やっぱり,本人がこれから教員として続けていくために必要な資質というのを高めていかなければいけないわけですから,そういう点では管理職が指導をするのは当たり前のことだというふうに思います。ただ,親御さんを苦しめないようにしなければいけないということは私のほうでも思っていましたので,もう7月の末の辺りでは,一緒にいるような場面を作らないことが本当に一番望ましいというふうに思いました。これ以上悪化させることは大変なことだと思いましたので,そういう点ではできるだけ原告とN君を引き離すような形をとりました。
先ほど,夏の面談では,もう率直な話ができるような状況じゃなかったというふうにおっしゃったと思うんだけれども。
率直な話。
原告との関係で。それはどういうような状況からそう思ったんですか。
例えば,連絡帳でのやり取りだとか,実際にはそれで親御さんのほうからは手紙でというようなお話がありましたので,その手紙のやり取りだとか,それがかみ合ってないのがよく私のほうでは分かりましたので,そういうところから判断してです。
連絡帳のやり取りは6月下旬だったと思うんだけれども,先ほどあなたは,夏休みの原告に対する指導に関しては,もうその時点では率直に何でも言えるような状況ではなかったと,原告のことをそういうふうに言ったんだけれども,それがなんでかなというところなんですよ。N君の母との関係で原告がというのは分かるんだけど,あなたが原告に言うことに対してどういう問題があるのかがいまいち分からなかったんです。
私は管理職ですので,これまで保護者等の要望等もありましたから,教員に関して何らかのフォローをしていかなければいけないことに関しては,引き続き指導していかなければいけない立場です。
さっき,教材で学習3班をやってきたら,それが求めているものと違ったという話だったから,じゃあ学習1班でやれというふうに言えばいい話だし,プリントの切り貼りだったら切り貼りじゃいけないというふうに言えばいいと思うんだけれども,先ほど聞いたように率直に何でも言えるような状況じゃなかったというから,なんでなのかなというところなんです。
それはその場での彼の様子からの判断だったというふうに私は思いますけれども。
どういう様子,怒ってた。
怒ってはいないですけれども,具体的にそれがどういう表情だったかというところまでは覚えてないですけれども,そこのところでは言えるような状況ではなかったと。とにかく一応やってあることが,こちらが求めているものではなかったけれども,やってあるということが重要かなというふうに私は判断しました。
その時点では一応やったから,指示には従って,課題もちゃんとやっているねという話なんですか。
課題をやってくれというか,やっぱり課題をやることがまず第一ですので。
甲第5号証の2,甲第5号証の3を示す
こういった書面で,保護者からの信頼を失った原因は何かとか,何をしなきゃいけないかとかっていうものを求めた記憶はありますか。
ごめんなさい,この書面は何でしょうか。
甲第5号証の1を示す
こういう書面に記憶はありますか。
こういう書面・・・。
記憶になければないでいいです。
ちょっと,今ないですね。
裁判長
千葉教諭は経験年数は何年くらいの方なんですか,当時。
10年以上というふうな記憶があります。10年で研修をするんですね,その研修をやっている時期だったと思うので,お子さんを育てるための育児休業なんかを取っている関係で本当は職歴は10年以上なんですけれども,実際に実務としては10年ですね。
だから,N君の一人通学についてですけれども,中学部でどこまでできてたかというのは,どういうふうに情報をとりましたか。
私は中村副校長から情報をもらいました。中村副校長が以前,N君の学校の教員をしていたということで,情報が入りやすかったようです。それから,一人通学の指導計画がステップ1から5まであるわけですけれども,最終的に卒業時にはステップがどこまでいってたかというのは記憶にありますか。
ないです。
原告代理人(綱取)
授業観察についてですが,その観察した頻度については,大分原告の認識とあなたとでは差があるようなんですが,あなたのほかにも中村副校長,それから女性の中村教諭ですか,それから飯田教諭が授業観察をしていたということは御存じですね。
報告では聞いています。
それはあなたの指示によるものではないんですか。
・・・・・。
自発的にやったんですか。
基本的には私,私ができないときは副校長がやりますので,私と副校長ができないようなことがあれば,主幹教諭,主任教諭というのがやる場合があります。
それはあなたがそのように指導したということですね。
私が指示したかどうかはちょっと覚えてないですけれども。
あなたはしてないの。
それは覚えてないです。
あなたか中村副校長が観察できないときには,中村教諭,それから飯田教諭が授業観察をしなさいというような指示をしたことはないんですか。
ちょっと覚えがないです。
記憶がないと。
はい。
授業観察で観察する内容といいますか,何を観察するんですか。
まず,私たちが一番見るのは授業力を観察するのが基本なんですけれども,教室環境だとか,ペアで組んでいる担任のそのコミュニケーションだとか,適切な言葉の表現をしているかどうか,不適切な何らかの指導がないかどうかというのをもちろん確認します。
それで,あなたが観察した中で,原告について何か指摘できるというか感じたことはありましたか。
厳密に言えば,感じたことがないって言ったらうそになりますけれども,大きな問題点があったというふうには思ってないです。授業観察では。でも,授業観察というのは,なかなかそういう何か大きな問題というものが現れる場では実際はないですね。
それじゃ,中村副校長あるいはほかの教諭の方々から,授業観察についての報告は受けてましたか。
報告は受けてないと思いますね。
受けないんですか,受ける必要がなかったんですか。
どういう点を主幹教諭と主任教諭から聞いたかというのが,ちょっと私のほうでは覚えがないので。
それでは,そのような授業観察が,このN君の母親との信頼回復にどのように役立つと考えていたのですか。
まず,母親が今要望していること,基本的には担任との関係で適切な指導を行ってほしいというようなそういう要望に関して,それができている環境なのか,できてない環境なのかというのをまず確認することによって,その保護者自身がどうにか学校が動いているということを理解できるんじゃないかというふうには思いました。
今言ったような観察の内容が,N君の母親との信頼回復に役立つと思いましたか。
信頼回復に役立つかどうかというのはそれは何とも言えませんけれども,できることをやっぱりやっていかなければいけない,そこで何か指摘する点が見付かったらそれを指摘することによってそれを改善する必要がありますので,そういうことが重なることによって信頼回復はできていくと思います。
校長であるあなたや副校長,それから2人の教諭が,頻度の認識の差はともかく,そういうような観察をある期間続けたということは,学校にとっても相当な負担だったと思うんですが,その辺はどのように受け止めていましたか。
学校にとって負担というよりも,そんなに毎日のようにやるっていうことは実際にはできないんですね。ほかの仕事だってたくさんありますので。そういう点ではもうできる範囲で行ったということで,学校に負担が掛かると言ってしまうと,今度ほかにいろいろまた問題が出てくる可能性がありますので,そういうところまではやっぱりしていません。
それでは,私と三木弁護士が当時,当時といいますか,ちょっと日にちは定かではないんですが,学校のほうにお伺いして,あなたと副校長からお話を聞いたということがありましたね。記憶にありますか。
多分1度いらしたことがあるでしょうね。
校長室ですよね,あそこでお話ししましたね。
はい。
その際に,授業観察の目的として,原告の能力が非常に低いと判断していたと明確におっしゃった記憶はありますか。
そのときはないですね。
それでは,授業観察の内容をN君の母親に報告しましたか。
何らかの報告はしたんじゃないかと思いますけれども。
記憶がない。
何を報告したかというのは覚えてないですね。
そうすると,N君の母親がそれに対してどのような対応をしたかということも記憶にないんですか。
そのときに・・・。
そもそも報告したこと自体の記憶がない。
親御さんにですね。どういう報告をしたかというのはちょっと記憶にないです。
報告したことはあるんですか。
校長室に呼んでとかっていうような記憶はないです。でも,それは私が観察してますから,何らかの報告はしたんだろうとは思いますけれども,そういう改めて校長室に呼んでこうだった,ああだったというようなことをした記憶はないです。
授業観察はN君の母親の要望だったんじゃないんですか。
要望でした。
それにもかかわらず,報告しなくてよかったんですか。
そこはちょっと覚えてないです。
記憶にない。
何らかの形で報告はしたんでしょうけれども,校長室に呼んでというような,そこでどういう話をしたかというのはちょっと記憶にないです。
あなたは,N君の母親のように,ちょっと担当教諭に問題があるから授業観察をしてくれって言われた場合にはするんですか,基本的に。
授業観察は基本的にするものなので,全員にやらなければいけないものなので,授業観察はどういう状況であれします。ただ,それを直接的に何というか,要望があったから早めに持ってくるというようなことはその状況によって決めます。
授業観察というのは大体何分くらいやるんですか。
ちゃんとやるものでしたら指導案をきちんと出してもらって,それで1単位時間やります。
原告のほかに,このような授業観察ということを行ったことは過去にありましたか。
授業観察はあります。
原告のような形でということではいかがですか。
原告のような形でというと・・・。
今言ったような授業計画を出させて観察を行うとかというんじゃなくて。
それも比較的あります。日常的にはあります。
あるんですか。
指導案や何かを出さないで授業観察をするというのはあります。
それはどういう場合ですか。
もちろん親御さんからいろんな要望があるというようなこともありますし,担任間の関係で何か情報が入ってきたときにはそれを確認して必要に応じて指導をするということがあります。
相当期間,継続して行うということもあるんですか。
相当期間継続して,問題を解決するかどうか。
経験上,あったんですか。
経験上,どのくらいのものがあったかということですか。
例えば,1か月とか1か月以上。
を,続けているということですか。1か月続けるというのはそんなにないですね。
(以上畑岡裕子)
東京地方裁判所民事第25部
裁判所速記官 持木みどり
裁判所速記官 畑岡裕子
280927 #izak #本人調書 #葛岡裕 #ベタ打ち版
読んでないので真偽不明。録音テープとの比較はさせない。
平成26年(ワ)第24336号 国家賠償請求事件 #鈴木雅久裁判官
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