2026年9月7日月曜日

段落番号付きテキスト版 YM260821原田祐平意見書 会計検査院80普第193号令和8年8月21日 

段落番号付きテキスト版 YM260821原田祐平意見書 会計検査院80普第193号令和8年8月21日 

 

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Ⓢ 画像版 YM YM260821原田祐平意見書

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p5】テキスト化

第1 諸関事件の概要

1φ 1 本件処分について  本件審査請求は、令和7年11月21日付けで本件審査請求人からなされた開示請求に対して、同年12月23日に、開示請求に係る行政文書を作成し、又は取得しておらず、保有していないことを理由として行った不開示決定(令和7年12月23日70普第547号。以下「本件処分」という。)に対してなされたものであり、本件処分に至る経緯は次のとおりである。

 

2φ  本件審査請求人は、会計検査院事務総長(以下「処分庁」という。)に対して、令和7年11月21日付けで、 (1)「国民年金保険料の納付受託事務に関する契約書の原本の閲覧(セブンイレブン・ジャパンとの契約に係る直近のもの)」の補正後の請求件名。以下「開示請求(1)」という。

 「厚生労働省が会計検査院に提出した以下の契約書の保有者は厚生労働省であることが分かる文書(国民年金保険料の納付受託事務に関する契約書)(セブンイレブン・ジャパンとの契約に係る直近のもの)」の補正後の請求件名。以下「本件開示請求」という。

「以下の内容が確認できる文書(国民年金保険料の納付受託事務に関する契約書の原本は会計検査院に存在するが、上記の契約書について、会計検査院に対して開示請求を行っても、閲覧は厚生労働省において行うことになる)」(以下「開示請求(3)」という。)の開示請求を行った。

 

3φ  処分庁は、本件審査請求人に対し、7年11月26日に文書により、本件開示請求で開示を求める行政文書は、厚生労働省が会計検査院に提出したセブンイレブン・ジャパンと契約した国民年金保険料の納付受託事務に関する契約の当事者が厚

 

p6】テキスト化

生労働省であることが分かる文書であり、同日にされた開示請求(1)で開示を求めている契約書で契約の当事者が確認できることから、開示請求(1)と同じ文書を求めているということで間違いないかなどの確認を行った。

 

4φ  本件審査請求人は、で確認を求めた事項に対し、7年12月3日に文書により、開示請求(1)で開示を求めている契約書で契約の当事者が確認できるという点については、「契約の当事者ではなく、保有者が確認できる文書です」とし、本件開示請求は開示請求(1)と同じ文書を求めているということで間違いないかという点については、「請求者には分からない以上、結果、同一文書であっても構いません」などと回答した。  

また、契約書について「本院が保有するものの中で直近のものの開示をお求めということで間違いないでしょうか」との処分庁の質問に対して、本件審査請求人は、「<本院が保有するもの>との表現は、間違っています。

すなわち<本院が保有するもの>と訂正して下さい。」と訂正前の記載では、不存在で不開示で言う文脈が成り立つからである。

不存在理由は、契約書原本は預かり書を持ち、保有文書ではないことによる」と回答した。

 

5φ  処分庁は、本件審査請求人に対し、7年12月10日に文書により、「情報公開法における『保有』の概念によれば、厚生労働省から計算証明規則(昭和27年会計検査院規則第号)に基づいて会計検査院に提出された『国民年金保険料の納付受託事務に関する契約書(セブン-イレブン・ジャパンとの契約に係る証拠書の)』を現在『保有』しているのは会計検査院であり、本件開示請求の請求件名に該当する文書は存在せず、不存在を理由とした不開示決定になる可能性が高いこと、開示請求の請求件名を補正することにより開示できる文書がある可能性があるため、請求件名の補正を希望する場合は相談されたい旨を伝えた。

 

6φ  本件審査請求人は、で確認を求めた事項に対し、7年12月16日に文書により、「開示請求件名を維持致します」と回答した。

 

7φ  処分庁は、本件開示請求に対し、開示請求に係る行政文書を保有していないことを理由とした本件処分を行い、本件審査請求人に通知した。

 

p7】テキスト化

8φ 2 審査請求の提起と審査会に対する諮問  本件審査請求人は、本件処分を不服とし、7年12月29日付けで、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の規定により、本件処分の取消しを求め、本件審査請求を提出した。  

諮問庁(審査庁)は、本件審査請求について、情報公開法第19条第1項第1号及び第2号が規定するいずれの場合にも該当しないと認めたことから、8年2月2日、同項柱書の規定により審査会に諮問した。

 

第2 本件処分の妥当性に関する諮問庁(審査庁)の所見

9φ 1 本件対象文書を保有していないこと  

情報公開法によれば、開示請求の対象となる行政文書は、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書で、当該行政機関的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものとされている(情報公開法第2条第2項)。  

10φ このうち、「保有しているもの」という要件については、直接に占有している場合に限らず、事実上支配していれば当該要件を充たすとされ、例えば、倉庫業者に保管させている場合であっても、行政機関の長が調達・移管・廃棄等の権限を有しているのであれば、行政機関の長が保有しているといえるとされている(新・情報公開法の逐条解説【第7版】46ページ)。  

また、開示請求時点において、当該行政機関が保有していることが開示請求の対象となる行政文書の要件とされている(同書43及び44ページ)。  

 

11φ 国民年金保険料の納付受託事務に関する契約書(セブン-イレブン・ジャパンとの契約に係る直近のもの)は、厚生労働省の職員が作成し、又は取得した文書であるが、開示請求時点では、厚生労働省から計算証明規則に基づいて本院に提出されており、本院に直接に占有し、また事実上支配していたこと、また、本院の承認なしに厚

 

p8】テキスト化

生労働省は閲覧できず、移管、廃棄等の権限も厚生労働省にはなかったことから、当該契約書を「保有」していた行政機関は本院である。

12φ したがって、本件開示請求時、「契約書の保有者は厚生労働省であると分かる文書(国民年金保険料の納付受託事務に関する契約書)(セブンーイレブン・ジャパンとの契約に係る直近のもの)」は存在せず、本院は当該文書を保有していなかった。

 

13φ 2 本件審査請求人の主張及びこれに対する諮問庁の見解

ア 令和7年12月29日付け審査請求書には、「審査請求の理由」として、次のような記載がある(以下、それぞれ「理由」「理由」「理由」「理由」という)。

 

14φ 「厚生労働省から計算証明規則に基づいて会計検査院に提出された『国民年金保険料の納付受託事務に関する契約書(セブンーイレブン・ジャパンとの契約に係る直近のもの)』を現在『保有』しているのは会計検査院です」とあり、当該契約書が会計検査院において職務上取得され、組織的に保有されていることは明白である。

 

15φ 本件開示請求は、契約書の保有者が厚生労働省であることを示す文書を求めるものであり、契約書そのもの、送付状、提出記録、検査資料等を含む趣旨である。

契約書が厚生労働省から提出されたものである以上、提出経緯や保有主体に関する記載を含む文書が存在する蓋然性は高い。

 

16φ 情報公開法において、文書不存在を理由とする不開示決定を行うには、合理的な探索を尽くす義務がある(情報公開法ガイドライン参照)。契約書を保有していると明言していながら、それに付随する提出経緯や保有主体に関する文書が一切存在しないという判断は、探索義務を尽くしたとは言い難い。

 

17φ 当該契約書は、現在係属中の訴訟において、厚生労働省職員が契約書の原本閲覧を拒否した行為の正当性を主張するための根拠資料として、厚生労働省及び会計検査院が共同で準備したものである。

このような文脈において、契約書の保有主体や提

 

p9】テキスト化

出経緯に関する文書が一切存在しないとする判断は、実態に反する。

 

18φ イ 上記審査請求人の主張に対する諮問庁の見解は、次のとおりである。

(理由について)  

本件審査請求人は、理由として、国民年金保険料の納付受託事務に関する契約書の保有者が会計検査院であることを挙げている。

しかし、そうであるならば当該契約書の保有者は厚生労働省ではないのであるから、前記第2の1で述べたとおり、本件開示請求の対象である「契約書の保有者は厚生労働省であることが分かる文書」は存在せず、本院は当該文書を保有していないということになる。  

19φ なお、前記のとおり本件処分に至る経緯で本件審査請求人は、契約書について会計検査院が「保有」しているという表現は間違っているなどと主張していた。

 

20φ (理由について)  

本件審査請求人は、理由において、本件開示請求は、(7)契約書の保有者が厚生労働省であることを示す文書を求めてのものであり、(7)契約書だけでなく、送付状、提出記録、検証資料等をも包含するものであると主張する。  

しかし、本件開示請求の対象は、「契約書の保有者が厚生労働省であることを示す文書」である。  

そして、(7)について、開示請求時点における契約書の保有者は会計検査院であることから、「契約書の保有者は厚生労働省であることが分かる文書」は存在しないことについては第2の1をおいても(7)の主張は、契約書の保有者が会計検査院であるとする理由と整合しており、また、(1)について、開示請求の請求件名から読み取れるものではないし、本件審査請求人は、開示請求の請求件名の補正の過程においてそのような意向を表明していない。  

 

21φ 処分庁が当該請求件名では文書不存在により不開示となる可能性が高いこと及び請求件名を補正することにより開示できる文書が見つかる可能性があることを文書により伝えたことに対しても、開示請求件名を維持する旨を回答しており、「契約書の保有者が厚生労働省であることを示す文書」以外の文書は本件開示請求の対象となっていない。

 

p10】テキスト化(全文)

22φ (理由について)  

本件審査請求人は、理由において、保存文書の提出経緯等に関する文書が一切存在しないとする判断は探索義務を尽くしたとは言い難いなどと主張している。しかし、上記「理由について」で述べたとおり、本件開示請求の対象は「契約書の保有者が厚生労働省であることを示す文書」であり、開示請求の対象となっていな い「保有文書の提出経緯等に関する文書」について探索義務があるものではない。  

23φ また、処分庁は、7年12月10日の文書において、契約書の提出経緯について、計算証明規則により厚生労働省から本院に提出されたものである旨を明記して伝 えており、「契約書を保有していると明言していながら、それに付随する提出経緯や保有主体に関する文書が一切存在しないとする判断」をしているものではない。

 

24φ (理由について)  

本件審査請求人は、理由として、当該契約書は現在係属中の訴訟において厚生労働省職員が契約書の原本の閲覧を拒否した為の正当性を主張する根拠資料 として厚生労働省及び会計検査院が共同で準備したものである、このような文脈において、契約書の保有主体や提出経緯に関する文書が一切存在しないとする判 断は実態に反することなどを主張する。

 

25φ について、当該契約書は厚生労働省とセーフティーレブン・ジャパンが契約したものであって、厚生労働省と会計検査院が 共同で準備したというようなものではない。

また、について、処分庁が当該契約書に付随する「提出経緯や保有主体に関する文書が一切存在しないとする判断」 を行ったものではないことなどは上記理由についてで述べたとおりである。

 

26φ 3 諮問庁(審査庁)の所見  以上のとおり、本件処分は適法であり、妥当なものであると考える。

以上

 

 


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