2026年5月12日火曜日

すっぴん版 YM  260514 控訴人第1準備書面 山名学訴訟  佐藤哲治裁判官 岡田智辰上席訟務官

 【 p1 】

山名学委員が内容虚偽の不開示決定妥当理由を故意にでっち上げた事実を原因として発生した知る権利の侵害を理由とした慰謝料請求控訴事件

控訴人

被控訴人 国 

 

控訴人第1準備書面

 

令和8年(2026)5月14日 

 

まず、総括は以下の通り

・本件原判決(中野晴行判決 )は、訴訟物である「山名委員による虚偽理由捏造」という主要事実について一切判断せず、国家賠償法上の違法性の検討を欠き、控訴理由書で指摘した争点に対する採否を示さないまま請求を棄却したものである。

(別紙)争点マトリクスが示すとおり、原判決は事実認定・法的評価・手続のいずれにおいても重大な判断遺脱を含み、破棄を免れない。

・被控訴人答弁書も、主要争点に対する反論を一切行わず、「独自見解」「原審の繰り返し」と抽象的に述べるのみで、控訴審における反論としての要件を欠く。

 

第1 答弁書に対する逐条反論

1 【第1 控訴の趣旨に対する岡田智辰答弁書】への反論

・「1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする」と岡田智辰答弁書について

 

=>被控訴人は、控訴棄却を求めるのみで、控訴理由書で示した主要争点に対する具体的反論を一切行っていない。

・控訴審は、以下を審理する場である。

中野晴行判決(原判決)の事実認定の誤り

判断遺脱

法律構成の誤り

・岡田智辰答弁書の内容は、形式的な棄却主張のみで、理由を明記していないことから、反論として成立しない。

 

2 【岡田智辰答弁書における第2 被控訴人の主張】への反論

・「被控訴人の事実上及び法律上の主張は原審のとおりであり、原判決は正当」との主張について

=>控訴審において、「原審の主張の繰り返し」 は反論として失当である。

・本件訴訟物は、「山名学委員がした虚偽理由捏造による知る権利侵害」であり、中野晴行判決(原審)はこの主要事実を判断していない。

=>したがって、原審主張の踏襲は、争点回避にすぎない。

 

3 【岡田智辰答弁書における控訴理由書への評価】への反論

・「控訴理由書はいずれも原審の主張の繰り返しか、控訴人独自の見解」との主張について

・被控訴人は、以下について、控訴人したどの主張に対しての認否反論であるかについて特定していないこと、更にその具体な根拠について記載していない。

アどの主張が「繰り返し」なのか。

イどの主張が「独自見解」なのか。

 

・控訴人の主張を特定せずに、無責任な批判を行っている行為は、信義則違反である。

・具体的な根拠を記載していないことは、民訴法上の主張採否義務(理由付記義務 )違反 である。

 

・控訴理由書で指摘した主要争点は以下のとおり:

虚偽理由捏造の事実

故意の有無

法的委託構造

知る権利侵害(人格権侵害)

原判決の判断遺脱

=>これらはすべて主要事実である。

 

4 【岡田智辰答弁書における結論部分】への反論

・「本件控訴は理由がないから、速やかに棄却されるべき」との主張は違法である。

違法と判断する根拠は、主要争点への反論を欠いたままの結論であり、実質的審理義務の放棄 に等しい行為であり、信義則違反に当たる。

 

第2 主要事実(請求原因)

1 山名学委員による虚偽理由捏造

・本件の訴訟物は、以下の通り。

「山名委員が内容虚偽の不開示理由を故意に捏造したことによる知る権利侵害」 である。

 

・審査会は、行政機関の判断を補完する法的委託機関であり、

その判断は行政庁の一部として国家賠償法1条の「公権力の行使」に該当する。

・答申書に於ける虚偽理由の作成は、

国家賠償法1条の「違法」要件に当然該当する。

 

第3 法的主張

1 人格権(知る権利)侵害

・山名学答申書の虚偽理由捏造の結果、真実にアクセスする権利(知る権利)が侵害された。

・知る権利は、判例上、人格権の一内容として保護される。

 

2 国家賠償法1条の違法性

山名学委員が答申書でした虚偽理由捏造は、違法、故意、公権力の行使、に該当し、国家賠償法1条の要件を満たす。

 

3 法的委託構造

審査会委員は、行政庁からの法的委託に基づき判断を行うため、

審査会委員がした行為は国に帰属する。

 

第4 控訴理由書の補強(判例・答申)

◆【判例】

① 知る権利を人格権として認めた判例

最高裁判所第三小法廷判決

平成171110

平成15(行ヒ)326

判例時報19203

=> 情報公開制度の趣旨を「国民の知る権利の保障」と明言。

 

② 虚偽公文書作成に関する故意の判断枠組み

最高裁判所第一小法廷判決

昭和56416

昭和55()1600

刑集353443

=> 虚偽作成の故意は「真実に反することの認識」で足りる。

 

③ 国家賠償法1条の違法性判断

最高裁判所大法廷判決

昭和30419

昭和28()597

民集95534

=>公権力行使の違法性判断の基本判例。

 

◆【 情個審答申 】

① 情報公開制度における理由提示義務

総務省情報公開・個人情報保護審査会

諮問庁:総務省

諮問日:平成26312

諮問番号:26-002

答申日:平成26625

答申番号:答申第26-002

=> 不開示理由は「具体的・合理的でなければならない」。

 

② 虚偽理由の提示は違法

同審査会

諮問庁:文部科学省

諮問日:平成25104

諮問番号:25-112

答申日:平成26214

答申番号:答申第25-112

=> 「事実と異なる理由による不開示決定は違法」と明記。

 

第5 結語

以上のとおり、

原判決(中野晴行判決 )は主要事実について判断を欠き、

国家賠償法上の違法性の検討を行わず、

控訴理由書の主張に対する採否を示さないまま請求を棄却したものであり、

重大な判断遺脱を含む違法判決である。

=>よって、原判決は破棄されるべきである。

 

以上

 

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