2023年3月10日金曜日

引用部分挿入テキスト版 KS 230215 控訴棄却判決 吉田徹裁判官 久木本伸訴訟 正誤表型引用判決書

引用部分挿入テキスト版 KS 230215 控訴棄却判決 吉田徹裁判官 久木本伸訴訟 正誤表型引用判決書

 

吉田徹裁判官 橋本英史裁判官 石田憲一裁判官

東京高裁令和5年(行コ)第28号作為給付請求控訴事件

原審 東京地裁令和5年(行ウ)第9号

 

ア 本件の訴訟物=「 山上秀明検事正が故意にした告訴状受理義務違反による告訴権侵害を理由とする作為給付請求 」である。

イ 作為給付請求権発生原因事実=「 山上秀明検事正が故意にした告訴状受理義務違反による告訴権侵害 」である。

ウ 訴えの利益=「 侵害された告訴権の回復 」である。

 

Ⓢ 吉田徹控訴棄却判決の引用部分特定版 KS 230113 却下判決 久木元伸訴訟 市原義孝裁判官 令和5年(行ウ)第9号 作為給付請求事件 (久木元伸の件)

https://ameblo.jp/bml4557/entry-12793033745.html

 

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令和5年2月15日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 江良裕代

令和5年(行コ)第28号作為給付請求控訴事件( 原審・東京地方裁判所令和5年(行ウ)第9号 )

 

判決

 

埼玉県越谷市大間野町○丁目○番○号

控訴人 上原マシウス

 

東京都千代田区霞が関1丁目1番1号

被控訴人 東京地方検察庁検事正 久木元伸

 

主文

1 本件控訴を棄却する。

2 控訴費用は控訴人の負担とする。

 

事実及び理由

 

第1 控訴人の求める裁判

1 原判決を取消す。

2 ( 控訴人の不服申立てに係る原審における控訴人の請求 )

被控訴人は、控訴人が東京検察庁に提出した裁判官春名茂の虚偽公文書作成等、同行使等の罪に係る告訴状を受理せよ。

 

第2 事案の概要

1 本件は、控訴人が国に対して提起した不当利得返還請求訴訟( 東京地方裁判所令和4年(行ウ)第177号 )において、裁判官春名茂が同裁判所民事2部の裁判長裁判官として陪席裁判官と共に訴えを却下する旨の判決をしたことについて、虚偽公文書作成等、同行使等( 刑法156条、158条1項 )の罪に該当するとして、東京地方検察庁に対し、被告訴人を春名茂とする告訴状を提出したところ、これが受理されなかったことから、東京地方検察庁検事正である久木元伸を被告として、上記の告訴状を受理するよう被告に命じることをもとめる本件訴えを提起した事案である。

 

□ KS230215吉田徹棄却判決<2p>2行目からの判示。

2 原判決が、控訴人の本件訴えについて、不適法であり、その不備を補正することはできないとして、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法140条を適用して、口頭弁論を経ないで却下したところ、控訴人がこれを不服として控訴した。

 

3 控訴人は、当裁判所に対し、令和5年1月22日付け「控訴状」に記載の「控訴の趣旨」である、①「被告訴人は、春名茂被疑者に係る告訴状を受理しろ。」、②「 東京地裁民事部第3部A1a係の捧直樹裁判所書記官がした令和5年1月13日付け事務連絡の内容は、(適正手続きの保障)憲法31条の侵害であることを認める。 」との控訴人の各請求を容認する主文の判決を求めているところ、上記①の請求は、前記第1の2の控訴人の原審における請求と同一であると認めることができるが、上記②の請求は、当審において新たに請求を追加する請求の変更をするものであって、請求の基礎に変更があると認められるから不当であるというべきである。

 

なお、上記②の請求は、上記①の請求の関連請求( 行政事件訴訟法13条 )に当たらず、かつ、確認の利益、訴えの利益を認めることができないそれ自体不適法ものであるから、同法38条1項、19条1項による追加的併合の対象にもならない。

 

よって、当裁判所は、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法297条、143条4項に基づき、控訴人による上記②の請求の追加的変更を許さない。

 

□ KS230215吉田徹棄却判決<2p>20行目からの判示。

第3 当裁判所の判断

1 当裁判所も、原審における控訴人の被控訴人に対する請求( 前記第2の3の控訴人の「控訴状」の記載の①の請求につき同じ。 )に係る本件訴えは、不適法であり、その不備を補正することはできないから、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法140条を適用して、口頭弁論を経ないで却下すべきであると判断する。

 

その理由は、原判決「事実及び理由」欄の第2の1及び2( 1頁17行目から3頁13行目まで )に記載のとおりであるから、これを引用する( なお、控訴人の上記「控訴状」の記載の主張を踏まえ、本件記録を精査しても、原審における手続に違憲、違法な点があることは認められない。 )。

***

以下が、吉田徹棄却判決における引用部分

<< 1(1) 原告は、原告が国に対して提起した不当利得返還請求訴訟( 東京地方裁判所令和4年(行ウ)第177号について、裁判官春名茂が同裁判所民事第2部の裁判長裁判官として陪席裁判官( 片瀬亮裁判官、  下道良太裁判官 )と共に訴えを却下する旨の判決をしたことが虚偽公文書作成等、同行使等(刑法156条、158条1項)の罪に当たるとして、東京地方検察庁に告訴状(甲8.以下「本件告訴状」という。)を提出したところ、これを受理されなかったことから、裁判所に対し、本件告訴状を受理するよう被告に命ずることを求めて本件訴えを提起している。

 

(2) ここで、原告は、令和4年12月31日付け回答書において、個人としての久木元伸ではなく、東京地方検察庁検事正を被告とする旨を回答しているところ、これは行政庁としての同検察庁検事正を被告とする趣旨であるといえるから、本件訴えは、義務付けの訴え(行政事件訴訟法3条6項 )として、行政庁としての被告に対する本件告訴状の義務付けを求めるものと解される。

 

< □ KS 230113市原義孝却下判決<2p>4行目からの判示 >

2 以上を前提に本件訴えの適法性について検討すると、本件訴えにおいて被告とすべき者が本来、行政主体であって行政庁ではないこと( 行政事件訴訟法38条1項、11条 )をひとまずおくとしても、以下のとおり、本件訴えは不適法であり、その不備を補正することはできないものといえる。

 

(1)ア すなわち、義務付けの訴え(行政事件訴訟法3条6項)は、同号各号に定める場合において、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命じることを求める訴訟であるところ、ここでいう「処分」とは、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められているものでなければならない( 最高裁昭和37年(オ)第296号同39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照 )。

 

(1)イ しかし、告訴は、被害者その他一定の者が捜査機関に対して犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示ではあるものの、捜査機関に犯罪捜査の端緒を与え、検察官の職権発動を促すものにとどまり、告訴をした結果、犯罪の捜査及び検察官による公訴権の行使がされたとしても、それは告訴人の個人的利益のためではなく、国家及び社会の秩序維持という公益を図るために行われるものであって、告訴人が告訴をしたことによって受ける利益は、公益上の見地に立って行われる捜査又は公訴の提起によってもたらされる事実上の利益に留まるものである、

 

また、公務員職権濫用罪等の一定の罪について告訴をした者は、検察官による公訴を提起しない処分に不服があるときは、裁判所に事件を裁判所の審判に付することを請求することができる(刑事訴訟法262条1項)などの地位にあるが、これについても、検察官の職務の適正な運用を担保するための公の制度によってもたらされる事実上の利益にとどまり、告訴人に対し自己に有利な捜査や公訴権の行使を求める権利を付与したものではない。

 

(1)ウ そうすると、告訴状の受理は、告訴人の権利義務や法的地位に何らの影響を及ぼすものではなく、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められているものということはできないから、義務付けの訴えの対象となる「処分」には当たらないというべきである。

 

< □ KS 230113市原義孝却下判決<3p>7行目からの判示 >

(2) また、義務付けの訴えの対象となる「 裁決 」とは、審査請求その他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為をいう(行政事件訴訟法3条3項)ところ、告訴状の受理は、審査請求その他の不服申立てに対する行政庁の行為ではないことは明らかであるから、「裁決」にも当たらない。

 

(3) したがって、本件訴えは、「処分」又は「裁決」を対象とするものではないから、義務付けの訴えとして不適法であり、その不備を補正することはできない。 >> 以上が、吉田徹棄却判決における引用部分

 

***

 

□ KS230215吉田徹棄却判決<3p>3行目からの判示。

2 結論

以上によれば、控訴人の原審における請求に係る本件訴えについて口頭弁論を経ずに却下した原判決は相当であり、これを是認すべきであるから、控訴人の本件控訴には理由がないから棄却すべきである。

 

よって、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法140条、民事訴訟法302条1項を適用して、主文のとおり判決する。

東京高裁裁判所第17民事部

裁判長裁判官 吉田徹。

裁判官    橋本英史

裁判官    石田憲一

 

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以上

 

 

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