2026年5月24日日曜日

マリウスの判例 第三者所有物没収違憲判決 上告審判決 全文 違式の裁判

マリウスの判例 第三者所有物没収違憲判決 上告審判決 全文 違式の裁判

https://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/61-3.html

https://www.hamamatsusogo.com/hanrei/scs371128k16-11-1593.html

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昭和371128日・第三者所有物没収事件(大法廷)

関税法違反未遂被告事件

最高裁判所 昭和30()2961

昭和371128日 大法廷 判決

 

上告人 被告人

被告人 中村数一  外1

弁護人 緒方英三郎 外1

 

検察官 村上朝一  外1

 

□ 主文

原判決および第一審判決を破棄する。

 被告人中村数一を懲役6月に、同中村俊弘を懲役4月に各処する。

 但し本裁判確定の日から3年間右各刑の執行を猶予する。

 福岡地方検察庁小倉支部の保管に係る機帆船大栄丸(換価代金431000円)はこれを没収する。

 第一審における訴訟費用は全部被告人両名の連帯負担とする。

 

□ 理由

弁護人緒方英三郎、同松永志逸の各上告趣意について。

[1] 関税法1181項の規定による没収は、同項所定の犯罪に関係ある船舶、貨物等で同項但書に該当しないものにつき、被告人の所有に属すると否とを問わず、その所有権を剥奪して国庫に帰属せしめる処分であつて、被告人以外の第三者が所有者である場合においても、被告人に対する附加刑としての没収の言渡により、当該第三者の所有権剥奪の効果を生ずる趣旨であると解するのが相当である。

 

[2] しかし、第三者の所有物を没収する場合において、その没収に関して当該所有者に対し、何ら告知、弁解、防禦の機会を与えることなく、その所有権を奪うことは、著しく不合理であつて、憲法の容認しないところであるといわなければならない。

けだし、憲法291項は、財産権は、これを侵してはならないと規定し、また同31条は、何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられないと規定しているが、前記第三者の所有物の没収は、被告人に対する附加刑として言い渡され、その刑事処分の効果が第三者に及ぶものであるから、所有物を没収せられる第三者についても、告知、弁解、防禦の機会を与えることが必要であつて、これなくして第三者の所有物を没収することは、適正な法律手続によらないで、財産権を侵害する制裁を科するに外ならないからである。

そして、このことは、右第三者に、事後においていかなる権利救済の方法が認められるかということとは、別個の問題である。然るに、関税法1181項は、同項所定の犯罪に関係ある船舶、貨物等が被告人以外の第三者の所有に属する場合においてもこれを没収する旨規定しながら、その所有者たる第三者に対し、告知、弁解、防禦の機会を与えるべきことを定めておらず、また刑訴法その他の法令においても、何らかかる手続に関する規定を設けていないのである。

従つて、前記関税法1181項によつて第三者の所有物を没収することは、憲法31条、29条に違反するものと断ぜざるをえない。

 

[3] そして、かかる没収の言渡を受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であつても、被告人に対する附加刑である以上、没収の裁判の違憲を理由として上告をなしうることは、当然である。

のみならず、被告人としても没収に係る物の占有権を剥奪され、またはこれが使用、収益をなしえない状態におかれ、更には所有権を剥奪された第三者から賠償請求権等を行使される危険に曝される等、利害関係を有することが明らかであるから、上告によりこれが救済を求めることができるものと解すべきである。

これと矛盾する昭和28()3026号、同29()3655号、各同351019日当裁判所大法廷言渡の判例は、これを変更するを相当と認める。

 

[4] 本件につきこれを見るに、没収に係る貨物が被告人以外の第三者の所有に係るものであることは、原審の確定するところであるから、前述の理由により本件貨物の没収の言渡は違憲であつて、この点に関する論旨は、結局理由あるに帰し、原判決および第一審判決は、この点において破棄を免れない。

 

[5] よつて刑訴法4101項本文、4051号、413条但書により原判決を破棄し、被告事件につき更に判決する。

 

[6] 原審の是認する第一審判決の確定した事実に法律を適用すると、被告人らの同判示所為は、関税法1112項、1項、刑法60条に該当するから、所定刑中懲役刑を選択し、その所定刑期範囲内で被告人中村数一を懲役6月に、同中村俊弘を懲役4月に各処し、情状により刑法251項を適用して本裁判確定の日から3年間右各刑の執行を猶予し、主文第4項掲記の機帆船大栄丸は、本件犯行の用に供した船舶であつて、被告人中村俊弘の所有に係るものであるから、関税法1181項本文により、その換価代金431000円を没収することとし、訴訟費用につき刑訴法1811項本文、182条を適用し主文のとおり判決する。

 

[7] この判決は裁判官入江俊郎、同垂水克己、同奥野健一の補足意見および裁判官藤田八郎、同下飯坂潤夫、同高木常七、同石坂修一、同山田作之助の少数または反対意見があるほか、裁判官全員一致の意見によるものである。

 

 

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裁判所の公式判例検索システムには、

最高裁判所刑事判例集(刑集) に掲載された判例が収録されています

=>検出できなかった。

 

・第三者所有物没収事件は 刑集16121593頁 に掲載されているため、

このシステムで全文 PDF を取得できます。

 

・事件名 関税法違反

・事件番号    A)昭和30()995 、(B昭和30()2961

・判決日 1962(昭和37)1128

・判例集

A)刑集第16111577頁、

B刑集第16111593

 

・裁判長      横田喜三郎

・参照法条 関税法118条,憲法29条,憲法31,刑訴法4051

 

・最高裁判決を受けて、19637月に国会で刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法が成立した。

Ⓢ 刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法

https://hourei.net/law/338AC0000000138

(この法律の趣旨)

1条 刑事事件における被告人以外の者の所有に属する物の没収手続については、当分の間、この法律の定めるところによる

 

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