2026年8月7日金曜日

すっぴん版 YM 260808 令和8年(行情)1003号に対する意見書 担当機関の変遷 上野賢一郎議員

 【 p1 】

件名:令和8年(行情)1003号に対する意見書(担当機関の変遷)

国民年金保険料納付済通知書に係る開示請求業務の担当機関の変更が分かる文書不存在決定に関する件

 

令和8年8月8日

 

(1)審査請求人氏名

(3)電子メールの送付は希望しない。

 

第1章 事件の概要

・請求人は、旧社会保険庁が実施していた「国民年金保険料納付済通知書」に係る開示請求案件について、その後の担当機関の変遷が分かる行政文書の開示を求めた(3φ〜4φ)。

・原処分庁(厚生労働大臣)は、 「当該文書は作成・取得された事実がなく、現に保有していない」 として不存在決定を行い(5φ)、請求人はこれを不服として審査請求を行った。

・諮問庁は理由説明書において、原処分を維持することが相当であると述べている(6φ)。

 

第2章 請求人の主張

請求人は、理由説明書7φに示されるとおり、以下を主張する。

1.制度改正(旧社会保険庁廃止・日本年金機構設立)に伴う業務承継の経緯を示す文書は当然存在するはずである。

2.原処分庁は探索範囲・方法を明らかにしておらず、調査が不十分である。

3.仮に文書が存在しない場合でも、法4条の趣旨から、業務承継の経緯や担当機関に関する情報提供がされるべきである。

 

第3章 諮問庁の判断構造(理由説明書の分析)

理由説明書(8φ〜17φ)を分析すると、諮問庁の判断は以下の構造である。

•8φ〜9φ:年金局関係室で確認したが文書はなかった

•10φ:新規作成義務はない

•11φ〜12φ:制度改正文書の存在可能性と請求対象文書は別問題

•13φ:合理的範囲で探索した

•14φ〜15φ:情報提供義務はない

•16φ:原処分は相当

 

【 p2 】

•17φ:棄却すべき

しかし、これらの判断は、事実認定・法的評価・制度整合性のいずれにおいても重大な欠陥を含む。

 

第4章 探索義務違反

1 探索範囲の不備

・諮問庁は「年金局関係室で確認した」と述べるのみで(8φ)、 旧社会保険庁 → 社会保険業務センター → 日本年金機構 → 厚生労働省 という事務承継の流れに沿った探索を行った形跡がない。

・国民年金法109条の10は、 厚生労働大臣が日本年金機構に特定の事務を委託できることを定めている。

・条文の趣旨 第109条の10は、厚生労働大臣が日本年金機構に対して、国民年金事業に関する一定の事務を行わせることを可能にする規定であり、事務承継の法的根拠である。

・したがって、委託事務の範囲・承継の経緯を踏まえた探索が不可欠であるが、 理由説明書にはその記載が一切ない。

 

2 探索方法の不備

諮問庁は「合理的に期待される範囲で探索した」と述べるが(13φ)、 具体的な方法・対象部署・確認手順が示されていない。

判例

•東京地裁平成26年3月26日判決(判例時報2229号)

探索範囲・方法の説明がない不存在決定は違法。

•大阪地裁平成22年9月30日判決(判例タイムズ1342号)  

探索の具体的内容が示されない不存在決定は違法。

・よって、本件はこれらの判例基準に照らして、探索義務違反が明白である。

 

第5章 情報提供義務の不履行

1 法4条の趣旨

・法4条は開示請求書の記載事項を定める形式規定であるが、 その目的は「開示請求の適正処理」であり、 行政機関が請求内容を正確に理解し、必要な説明を行うことを制度趣旨として内包する。

・本件開示請求文言は以下の通り。

 

【 p3 】

【行政文書】 旧社会保険庁が実施していた「国民年金保険料納付済通知書」に係る開示請求案件について、その後の担当機関の変遷が分かる文書

・このことについて、上野賢一郎厚生労働大臣が知らないとすれば、余程の不勉強であるか又は、故意にした知らない振りである。

 

2 行政の説明責任

・行政手続法および行政運営の一般原則は、 行政庁に対し「理由の提示」「事実の説明」を要求する。

・文書不存在決定は、行政が本来保有すべき文書が存在しないという重大な判断であるため、 説明責任は通常の処分より重い。

 

3 委託規定(国民年金法109条の10)の無視

・民年金法109条の10は、 厚生労働大臣が日本年金機構に特定の事務を委託できることを定める規定であり.この条文により、機構は厚生労働大臣の名の下で事務を執行し、権限の独立的な委譲ではなく、あくまで 厚生労働大臣の権限の代行 として行動していることを意味し、担当機関の変遷を説明するための最重要法令である。

・もかかわらず、上野賢一郎大臣はこの規定について一切触れていない。

・行政庁は自己の権限規定を当然に知っているため、 委託規定を無視した理由説明は説明義務の重大な不履行である。

 

4 判例

•東京地裁平成29年6月28日判決(判例時報2350号)  

制度論だけで不存在を正当化することはできず、事務承継の経緯を説明しない不存在決定は理由不備で違法。

•最高裁平成17年7月14日判決(判例時報1900号)  

理由が抽象的・形式的である場合、処分は違法。

・本件理由説明書は制度論のみで構成されており、 判例基準に照らして違法性が極めて強い。

 

第6章 理由不備                  

1 結論先行(6φ)

理由より先に結論を提示しており、 審査会の審理を誘導する構造となっている。

2 事実認定の欠落(8φ〜9φ)

 

【 p4 】

探索範囲・方法の説明がなく、 「確認できなかった」→「作成・取得されていない」とする論理飛躍がある。

3 制度論のみの判断(10φ〜12φ)

制度論だけで不存在を正当化しており、 事実認定が欠落している。

4 抽象的評価(13φ)

「合理的範囲で探索した」とするが、具体性がない。

5 小括(16φ)の論理破綻

基礎となる事実認定が欠落しているため、 総合判断は成立しない。

 

第7章 総合評価(違法性の総括)

本件不存在決定は、以下の複合的理由により違法・不当である。

1.探索義務違反  

探索範囲・方法の説明がなく、委託規定に基づく事務承継を無視している。

2.情報提供義務の不履行  

法4条の趣旨・行政の説明責任に反し、担当機関の変遷を説明していない。

3.理由不備  

結論先行、事実認定の欠落、制度論のみの判断、抽象的評価、論理破綻。

4.文書管理制度との整合性欠如  

制度改正に伴う事務承継文書が通常作成される実務に反している。

以上より、 本件不存在決定は違法・不当であり、取り消されるべきである。

 

第8章 結論(求める裁決)

情報公開・個人情報保護審査会に対し、 本件不存在決定を取り消す裁決を求める。

添付書類

一 理由説明書(情個審第3473号 令和8年8月5日)に段落番号を付与した文書

以上

 

 

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