251010 エリン氏に相談 反例の使い方 書証を1つも提出しなかったこと自体が直ちに違法とはならない 証明するために動かなければならない 証明責任を負う事実の整理方法
https://ameblo.jp/bml4557/entry-12937835725.html
http://paul0630.blog.fc2.com/blog-entry-5718.html
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質問
民事訴訟における反例の使い方を教えて下さい。
民事訴訟における「反例」の使い方、つまり判例の中でもある主張や理論に対して否定的な判断を示したものの活用法についてですね。
これは、特に論述や訴訟戦略を練る際にとても重要な視点です。
< 反例の使い方:民事訴訟での実践的アプローチ >
1. 規範の射程を理解する
反例は、ある判例の「規範」がどこまで適用されるか(射程)を検討する際に役立ちます。
たとえば、ある判例が「原則として認められる」とした行為について、反例が「特段の事情がない限り認められない」と判断している場合、その「特段の事情」の有無を論点化できます。
2. 論点整理と反論構築に使う
訴訟では、相手方の主張に対して反例を提示することで、裁判官に「この理論は常に通用するわけではない」と印象づけることができます。
とくに、民事訴訟法のように判例の積み重ねが重要な分野では、反例の存在が議論の幅を広げます。
3. 判例百選での反例の探し方
『民事訴訟法判例百選』などの判例集では、主要判例の解説に加えて、反対意見や異なる裁判例が紹介されていることがあります。
これを使って、ある判例の限界や批判的視点を学ぶことができます[1]。
4. 実務での応用:訴訟記録の閲覧
実際の訴訟記録を閲覧することで、反例がどのように使われているかを確認できます。
訴状・答弁書・準備書面などに反例が引用されている場合、その文脈や使い方を学ぶことができます。
<提案 >
もしご希望があれば、具体的な民訴判例の反例を一緒に探してみることもできますよ。
どの論点に関心がありますか?たとえば「訴えの利益」や「既判力の範囲」など、気になるテーマがあれば教えてください。
質問
最高裁判例で、書証を1つも出さないことは違法、と言う判例は在りますか。
答え
はい、最高裁判所の判例の中に、「 書証を1つも提出しなかったこと自体が直ちに違法とはならない 」とするものがあります。
<参考となる最高裁判例>
事件番号:昭和35(オ)289
裁判年月日:昭和37年5月18日
裁判所:最高裁判所第二小法廷
事件名:土地所有権移転登記請求事件
判示事項:書証申出と謄本の提出
<裁判要旨:>
この判例は、「書証の謄本を提出しなかったこと」が直ちに違法とは言えないと判断したもので、逆に言えば、書証を一切提出しなかったことが当然に違法とされるわけではないという立場を示しています。
ただし、これは「書証の申出があったが謄本が提出されなかった」場合の判断であり、「書証自体を一切提出しなかった」ことが常に適法とされるわけではありません。
実際の訴訟では、証明責任や主張立証責任の観点から、証拠提出がなければ請求が認められない可能性が高くなります。
<提案 >
もし特定の事案や論点( たとえば「 証明責任の履行として書証が必要か 」など)に関して深掘りしたい場合は、もう少し詳しく教えてもらえたら、さらに掘り下げてお手伝いできるよ
質問
「 証明責任の履行として書証が必要か 」について教えて下さい。
答え
とても良い問いですね。
民事訴訟において「 証明責任の履行として書証が必要か 」というテーマは、証拠戦略の根幹に関わる重要な論点です。
< 証明責任と書証の関係:基本の考え方 >
1. 証明責任とは?
証明責任とは、ある事実が「真実である」と裁判所に認定してもらうために、証拠を提出する責任のことです。
たとえば、貸金返還請求訴訟では、原告が「貸した」「返してもらっていない」という事実を証明しなければなりません。
<この責任には2つの側面があります:>
種類 内容
種類=主観的証明責任
内容=裁判所に証拠を提出する「行為責任」
種類=客観的証明責任
内容=証拠が不十分な場合に不利益を受ける「結果責任」
つまり、「証明でききなかったら負ける」だけでなく、「 証明するために動かなければならない 」という二重の責任があるんです。
< では、書証は必須なのか? >
2. 書証は“必要”というより“極めて有力”
民事訴訟では、契約書・領収書・請求書などの文書は、事実を客観的に裏付ける「証拠の王様」とも呼ばれます1。
ただし、証明責任の履行において書証が“絶対に必要”というわけではありません。
証人尋問(人証)や当事者尋問でも証明は可能です。
ただし、文書がないと「言った・言わない」の水掛け論になりやすく、裁判官の心証形成が難しくなります。
3. 裁判所の判断基準:自由心証主義
裁判所は、提出された証拠を総合的に評価して事実認定を行います(民事訴訟法247条)。
つまり、書証がなくても他の証拠で証明できればOKですが、書証がある方が圧倒的に有利です。
<実務的なポイント>
書証がない場合でも、証人の証言や当事者の供述で補えるかを検討する。
相手方が文書を持っている場合は、文書提出命令(民訴法219条)を活用する。
証明責任を負う事実について、どの証拠で立証するかを戦略的に整理する。
<提案>
もしご希望があれば、具体的な事案(たとえば「売買契約の成立」や「債務の履行」など)において、どのような書証が有効かを一緒に検討することもできますよ。
どんな場面を想定されていますか?
質問
『 「証明でききなかったら負ける」だけでなく、「 証明するために動かなければならない 」という二重の責任があるんです。 』について
「 証明するために動かなければならない 」と言う規定はどの様な規定ですか。
答え
「証明するために動かなければならない」という責任は、民事訴訟法の明文規定というよりも、弁論主義の第3テーゼや証明責任の実務的運用から導かれる考え方です。
< 「証明するために動かなければならない」責任の法的根拠 >
1. 弁論主義の第3テーゼ( 民事訴訟法247条 )
裁判所は、当事者が申し出た証拠によってのみ事実認定を行う。
この規定により、裁判所は自ら証拠を収集することは原則としてできません。
つまり、証拠を出すかどうかは当事者の責任であり、証明したい事実があるなら、自ら証拠を収集・提出しなければならないという構造になります。
2. 証明責任の実務的運用
証明責任(立証責任)は、ある事実が真偽不明だった場合に、その事実が認められなかったことで不利益を受ける側が負う責任です。
この責任を負う当事者は、当然ながら「 証明するために動く 」必要があります
動かなければ、証拠不十分として敗訴する可能性が高くなります。
3. 民事訴訟規則
第137条以下(書証)
書証の申出は、文書を提出するか、文書提出命令を申し立てることで行います(民事訴訟法219条)。
つまり、証拠を提出するための手続きも、当事者が自ら行う必要があるという点で、「動かなければならない」責任が制度的に裏付けられています。
< まとめ:明文規定ではなく構造的責任 >
規定・原則 内容 「動く責任」との関係
規定・原則=民事訴訟法247条
内容=弁論主義第3テーゼ
「動く責任」との関係=裁判所は当事者の提出した証拠のみで判断する → 当事者が動かないと証明できない
規定・原則=証明責任の理論
内容=真偽不明なら不利益を受ける
「動く責任」との関係=不利益を避けるために証拠提出が必要
規定・原則=民事訴訟法219条
内容=書証の申出方法
「動く責任」との関係=文書提出命令など、証拠収集の手続きは当事者が行う
<提案>
もしご希望があれば、「 証明責任を負う事実の整理方法 」や「証拠収集の実務的な流れ」についても図解でご案内できますよ。
どの論点に焦点を当てたいですか。
質問
「 証明責任を負う事実の整理方法 」
答え
証明責任を負う事実の整理は、民事訴訟の準備段階で極めて重要です。まるで森の地図を描くように、どの事実がどの法律効果につながるかを見極める必要があります
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< 証明責任を負う事実の整理方法:基本の流れ >
1. 請求の根拠条文を確認する
まずは、原告の請求がどの法律に基づいているかを特定します。たとえば:
貸金返還請求 → 民法587条(金銭消費貸借契約)
売買代金請求 → 民法555条(売買契約)
2.構成要件事実を抽出する
条文に基づいて、請求を成立させるために必要な事実(構成要件)を整理します。
例:貸金返還請求の場合
金銭消費貸借契約の成立(契約の合意)
金銭の授受
返済期限の到来
未返済の事実
これらはすべて原告が証明責任を負う「権利根拠事実」です。
3. 抗弁・再抗弁の事実を整理する
被告が請求を争う場合、抗弁(例:弁済、時効、錯誤など)を主張します。
これに対して再抗弁(例:重過失の有無など)も出てくることがあります。
立場 主張 証明責任を負う者
原告
権利の発生(契約成立など)
原告
被告
権利の消滅(弁済・時効など)
被告
原告
再抗弁(時効の中断など)
原告
このように、法律効果の発生・消滅・阻害の分類に応じて、証明責任の所在が決まります。
4. ノン・リケット(真偽不明)のリスクを見積もる
証拠が不十分で事実の真偽が不明な場合、証明責任を負う側が不利益を受けます。
そのため、どの事実が「争点化」されるかを見極め、重点的に証拠を準備する必要があります。
< 実務での整理ツール >
要件事実マトリクス:請求・抗弁・再抗弁を縦軸に、構成要件事実を横軸に並べて整理。
訴状・準備書面の構成:主張と証拠を対応させて記述。
証拠説明書:各事実に対応する証拠を明示。
<提案>
もしご希望があれば、具体的な事案(たとえば「請負代金請求」や「 不法行為による損害賠償 」など)に即した要件事実の整理例を一緒に作成できますよ。どの場面を想定されていますか?
質問
「 不法行為による損害賠償 」の要件事実の整理をお願いします。
答え
ありがとうございます!
「不法行為による損害賠償」(民法709条)に基づく請求における要件事実の整理は、まるで森の中で因果の糸をたぐるような作業です。
以下に、構造的に整理してみます
< 不法行為(民法709条)の要件事実整理 >
■ 法律構成:
故意または過失によって、他人の権利または法律上保護される利益を侵害し、それによって損害が発生した場合、加害者は損害賠償責任を負う。
<< 要件事実の構造(原告が証明責任を負う) >>
要件 内容 証明すべき事実
① 加害行為
被告の行為が存在すること
例:暴行、名誉毀損、虚偽投稿など
② 故意または過失
被告が故意または過失で行ったこと
注意義務違反などの評価根拠事実
③ 権利・法益の侵害
原告の権利や法的利益が侵害されたこと
生命・身体・名誉・財産など
④ 損害の発生
原告に損害が生じたこと
財産的損害・精神的損害(慰謝料)など
⑤ 因果関係
加害行為と損害との間に因果関係があること
「その行為がなければ損害はなかった」こと
< 抗弁・再抗弁の例(被告が証明責任を負う) >
種類 内容 主張者
責任能力の欠如
未成年・心神喪失など
被告
正当防衛・緊急避難
違法性阻却事由
被告
損害の不存在
実害がない、慰謝料不要など
被告
過失相殺
原告にも過失がある
被告(民法722条)
< 実務での整理ポイント >
訴状では、上記①〜⑤の事実を具体的に記載し、対応する証拠を提示する。
準備書面では、争点化された要件に絞って主張・立証を展開する。
証拠説明書で、各要件に対応する証拠(書証・人証)を明示する。
<提案>
もしご希望があれば、特定の事例(たとえば「SNS上の名誉毀損」や「交通事故による損害」など)に即した要件事実の整理もできますよ。どんな場面を想定されていますか
質問
「 争点化された要件に絞って主張・立証を展開する 」について記載例をお願いします。
答え
ありがとうございます!
「争点化された要件に絞って主張・立証を展開する」場面では、準備書面において争点となっている要件事実だけを明確に摘示し、それに対応する証拠を提示することが求められます。
以下に、不法行為による損害賠償請求を例に、記載例を示しますね
< 記載例:争点化された「過失の有無」に絞った主張・立証 >
■ 争点:被告に過失があったかどうか
■ 準備書面(抜粋例)
第2 被告の過失について
1 被告は、令和5年10月10日午後8時頃、越谷市内の交差点において、赤信号を無視して進行し、原告の運転する自転車と衝突した。
2 当該交差点には、信号機が設置されており、事故当時、原告側の信号は青であった。
3 被告は、交差点進入時に信号を確認せず、また周囲の安全確認を怠っており、交通法規に違反する重大な過失がある。
4 この点については、事故現場の防犯カメラ映像(甲第3号証)及び目撃者の陳述書(甲第4号証)により明らかである。
< ポイント解説 >
<<争点に絞る: >>
ここでは「過失の有無」に焦点を当て、他の要件(損害や因果関係など)には触れていません。
<<事実摘示:>>
抽象的な「過失がある」ではなく、「信号無視」「安全確認の怠り」など、評価根拠事実を具体的に記載。
証拠対応:主張した事実に対応する書証(防犯カメラ映像・陳述書)を明示。
<提案>
このように、争点整理後の準備書面では、争点化された要件事実に絞って、具体的な事実と証拠を対応させて記載することが重要です。
もし別の争点(たとえば「損害額」や「因果関係」)についての記載例も見たい場合は、遠慮なくどうぞ
質問
「 故意 」の証明方法を教えて下さい。
答え
ありがとうございます!
「故意」の証明は、民事訴訟においては、内心の認識(主観)を外から見える事実(客観)で裏付けることが基本となります
。
< 故意の証明方法:民事訴訟での実践的アプローチ >
1. 故意とは?
民法上の「故意」は、結果の発生を認識しつつ、それを容認して行為したことを意味します。
たとえば、名誉毀損であれば「相手の社会的評価が下がることを認識して投稿した」などが該当します。
< 証明の基本方針:客観的事実から内心を推認する >
■ 主観的認識は直接証明できない
→ だからこそ、客観的状況・行動・発言から「認識していたはず」と推認します。
■ 典型的な証明手段
証拠の種類 内容 故意との関係
証拠の種類=書証
内容=メール・SNS投稿・契約書など
故意との関係=相手の認識や意図が表れている文言を確認
証拠の種類=人証
内容=目撃者・関係者の証言
故意との関係=発言内容や行動から認識の有無を推認
証拠の種類=状況証拠
内容=行為の態様・繰り返し性
故意との関係=通常人なら結果を予見できる状況かどうか
具体例:SNSでの名誉毀損
被告が原告について「○○は詐欺師だ」とSNSに投稿した場合:
投稿の文言が断定的である(「かもしれない」ではなく「断定」)
過去にも同様の投稿を繰り返している
原告が抗議した後も投稿を継続している
→ これらの事実から、「社会的評価が下がることを認識していた」と推認され、故意が認定される可能性が高まります。
<注意点 >
「自白」だけに頼るのは危険:強要や誘導のリスクがあるため、裁判所は慎重に扱います。
「過失」との区別が重要:故意は「知っていてやった」、過失は「知らずにやったが注意すべきだった」。
<提案>
もし特定の事案(たとえば「虚偽のクレーム投稿」や「契約妨害」など)に即した故意の証明構成を一緒に考えたい場合は、ぜひ教えてくださいね
質問
「 開示請求に係る不開示決定取消し 」の要件事実の整理をお願いします。
答え
ありがとうございます!
「開示請求に係る不開示決定取消し」の要件事実は、行政訴訟の中でも情報公開法に基づく取消訴訟に特有の構造を持っています。
< 不開示決定取消訴訟の要件事実整理(情報公開法) >
■ 法的構成:
情報公開法4条1項に基づく開示請求に対して、行政機関が「文書を保有していない」ことを理由に不開示決定をした場合、その取消しを求める訴訟。
< 要件事実の構造(原告が証明責任を負う)>
要件 内容 証明すべき事実
① 開示請求の適法性
請求対象が行政文書であること
請求文書の特定、請求手続の適法性
② 行政機関の保有
不開示決定時に行政機関が文書を保有していたこと
文書の作成・取得・管理状況など
③ 不開示決定の違法性
保有しているにもかかわらず不開示としたこと
保有事実と不開示理由の不一致
=> 最判平成26年7月14日は、②の「保有していたこと」について、原告が主張・立証責任を負うと明示しています。
< 証明方法の実務的ポイント >
1文書の作成・取得経緯の立証:行政機関の職員が職務上作成・取得した事実を示す。
2保管体制の推認:一定水準の管理体制下にあった場合、保有継続が推認される。
3反証の可能性:行政機関側が「廃棄・移管等により保有が失われた」と主張立証すれば、推認は覆される。
< 実務での整理ツール >
訴状・準備書面:文書の存在・保有状況に関する具体的事実を記載。
証拠説明書:文書作成者の証言、行政文書の管理規程、探索報告書などを対応づける。
<提案>
もしご希望があれば、具体的な開示請求文書(たとえば「契約書の添付資料」や「行政指導記録」など)に即した要件事実の整理も一緒にできますよ。
どんな文書を想定されていますか
質問
感謝、疲れましたので、今日は終わります。有難うございました。
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質問
「 告訴状不受理に係る受理義務違反 」の要件事実の整理をお願いします。
質問
「 告訴状 」の要件事実の整理をお願いします。
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